失われた草原と人災が招いた砂漠化―内モンゴル自治区

Record China    2010年3月28日(日) 8時34分

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26日、豊かな草原で知られた内モンゴル自治区アルシャー盟も、現在では沙漠化が進んでいる。俗に「ラクダは飢えて死ぬ時も馬より太っている」と言われるが、この地区のラクダはみな馬よりも小さく、やせこけていた。写真はアルシャー盟。

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2010年3月26日、斉魯晩報によると、豊かな草原で知られた内モンゴル自治区アルシャー盟(阿拉善盟)も、現在では沙漠化が進み、村々は消失の危機にさらされている。

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阿拉善SEE生態協会の調査によると、同地区の草原は毎年1730ヘクタールのペースで消失している。もともと130種以上あった植物も現在残されているのはわずかに30種あまり。植物に覆われている面積は80%から30%にまで低下した。180種以上いた野生動物は他地域に移るか、あるいは絶滅の危機に瀕している。

75歳のバタールさんはこう語る。「以前は素晴らしい草がありました。一番多い時で300頭の羊、100頭のラクダを飼っていたのです。」しかし放牧が禁止されてから羊はすべて売った。残されているのはラクダだけだという。

阿拉善SEE生態協会の李鶴(リー・ホー)氏によると、草原の破壊は大きく2回の契機があったという。最初の契機は建国後の社会主義経済への移行時。植物の多くが伐採され、燃料とされた。2回目の契機は1990年代後半。草原請負制が導入され、遊牧民は定住するようになった。利益を上げようと放牧数が増え、草の根まで食べ尽くすことによって砂漠化が進行した。

1993年、大型の砂嵐がアルシャー盟を襲った。これがきっかけとなり、草原保護政策が開始された。1999年に放牧が禁止となり、仕事を失った遊牧民のために移住政策が推進され、多くの人々が農民や都市民へと仕事を変えた。また、同協会では現在、梭梭という植物の造林活動を展開している。協力した遊牧民には6.7アールあたり50元(約675円)が支払われる。

しかし、それでも沙漠化の進行は止まらない。3月19日、20日と強い砂嵐がアルシャー盟を襲った。200頭以上もの家畜が死亡したという。俗に「ラクダは飢えて死ぬ時も馬より太っている」と言われる。しかしこの地区のラクダはみな馬よりも小さく、やせこけていた。(翻訳・編集/KT)

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