<レコチャ広場>金正日総書記はなぜ前財政部長を処刑したのか?

Record China    2010年3月25日(木) 12時2分

拡大

23日、コラムニストで教育専門家の信力建氏は、「金正日はなぜ前財政部長を処刑したのか?」と題した記事を中国のブログサイトに発表した。写真は北朝鮮の旧通貨。

(1 / 4 枚)

2010年3月23日、コラムニストで教育専門家の信力建(シン・リージエン)氏は、「金正日はなぜ前財政部長を処刑したのか?」と題した記事を中国のブログサイトに発表した。以下はその概略。

その他の写真

北朝鮮当局は昨年11月30日、突然デノミを実施。インフレの抑制と貧富の差の是正を試みたが、かえって物価を上昇させ、大量の餓死者を出していることが香港や韓国メディアによって伝えられた。そんな中、デノミ失敗の責任を負う形で朝鮮労働党の朴南基(パク・ナムギ)前党財政計画部長がピョンヤンの射撃場内で銃殺刑に処せられたとのニュースに衝撃を覚えた。「大地主の息子として国家経済を破綻させた罪」だという。デノミ失敗は予測していたことなので、そう驚かないが朴前部長処刑の事件で北朝鮮という国の独裁ぶりが改めて露呈した形となったと言えるだろう。

今回のデノミは、成功したら金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男、正銀(ジョンウン)氏の功績とし、後継体制を固める狙いがあったと北京の外交筋が2月2日に語っている。背後で計画・主導していたのも正銀氏だったという。だが、結果は失敗。大量の餓死者を出した責任を誰かが負わなければならない。そこで、すべての罪を朴前部長にかぶせた。主導者である金正日親子は相変わらず偉大な指導者のままである。

北朝鮮では失策の責任を取らされたとみられる幹部が、実はこのほかにも大勢いる。91年には羅先(羅津・先鋒)経済特区を指揮していた金正宇(キム・ジョンウ)対外経済合作推進委員長(閣僚級)が、同特区が市場経済の導入に失敗した後、1998年から行方不明。その後を引き継いだ金文成(キム・ムンソン)副貿易相も汚職の罪で2001年に銃殺刑となっている。

だが、時はすでに21世紀。いくら北朝鮮とはいえ、あまりにも国民を愚弄するようなやり方がいつまでも通用するはずがない。北朝鮮人民のほとんどが「大地主の息子として国家経済を破綻させた罪」など信じていないだろう。朴前部長銃殺刑のニュースが本当だとしても、それが北朝鮮人民の怒りを鎮めることにはならない。民心が離れてしまえば、1人や2人のスケープゴートでごまかすことなど出来なくなるだろう。(翻訳・編集/NN)

●信力建(シン・リージエン)

中国の教育家。信孚教育集団理事長。広東省広州市生まれ。中山大学中国文学部卒。工場・銀行・政府機関などで働いた後、英国へ留学。軍人・農民・労働者など30以上の職に就いた経歴を持つ。2006年までに幼稚園や小中学校など20校を建設、学生数は1万人を超える。

※本記事は筆者の承諾を得て掲載したものです。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携