労働契約法施行から2年、未だに出稼ぎ労働者の大半が労働契約書なしで就労―中国

Record China    2010年1月11日(月) 8時28分

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9日、北京大学などの調査によると、企業との労働契約書を締結していないことが原因で、職業病を患う出稼ぎ労働者の多くが賠償や治療を受けられないなど、正当な権利を行使できない状況に陥っていることが分かった。写真は深セン市内の建築現場。

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2010年1月9日、北京大学などの調査によると、企業との労働契約書を締結していないことが原因で、職業病を患う出稼ぎ労働者(農民工)の多くが賠償や治療を受けられないなど、正当な権利を行使できない状況に陥っていることが分かった。中国青年報が伝えた。

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北京大学、清華大学などの教授・学生が09年8月から開始した、深セン市と湖南省を中心とする全国十数か所の建築現場での農民工の実態調査によると、ほとんどの農民工が雇用主と労働契約書を締結していないことが判明した。

中国の建築現場では昔から、親方が下請け企業や建築主から仕事を請け負い、親方の下に農民工が集まり仕事をする「親方請負制度」が主流であり、こうした制度が経済発展を支えてきた。この制度の下では、農民工と企業との間に労働契約書が存在しないばかりでなく、親方と農民工の間にも口頭約束しか存在していないケースがほとんどだという。中国で労働契約法が施行されてから2年を経過した現在も依然としてこの形で行われている建築現場が多い。

記事は、こうした「親方請負制度」は、農民工が正当な権利を行使したり、社会保障制度を受ける際の大きな障害になっているとともに、企業や一部の地方政府による責任回避やコスト削減の隠れ蓑になっていると指摘する。労働契約法の施行以来、農民工が職業病などを理由に企業に対し賠償を求めるためには、雇用関係を明らかにするための労働契約書の存在が必須となった。このため、企業だけでなく政府関連部門でさえ労働契約書が存在しないことを理由に農民工を門前払いしているという。多くの農民工は泣き寝入りをするか妥協せざるを得ず、正当な権利を行使できない状態に陥っている。

農民工の問題に詳しい学者は「政府関連部門は労働契約法の着実な実施に力を注ぎ、企業に法遵守の義務を履行させ、建築企業と農民工の労働契約書締結を確保しなければならない。また、労働契約書未締結の案件では、労働関係を積極的に認め、農民工の合法的な権益を保護しなければならない」と指摘している。(翻訳・編集/HA)

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