破壊進む万里の長城=鉱山会社、採掘のためなら長城切り崩しも平気―内モンゴル自治区

Record China    2009年11月1日(日) 17時8分

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10月31日、内モンゴル自治区で万里の長城の破壊が進んでいる。鉱物採掘や道路建設による取り壊しなど、住民の保護意識の低さが原因とみられている。写真は同自治区ウランチャブ市内にある明代の万里の長城。

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2009年10月31日、中国青年報によると、内モンゴル自治区で「万里の長城」の破壊が進んでいる。地元の約90%の人が同自治区内の万里の長城の存在を知らないことも原因のひとつだという。

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内モンゴル長城資源調査チームによると、今回深刻な破壊が見つかったのは、フフホト市北部にあり、全国文物保護施設に指定されている「秦漢長城」。秦漢長城は秦の始皇帝が修復したとされており、保存状態もよく、万里の長城の中でも最も古い部分の1つに数えられている。

破壊の原因は、ある企業の鉱物採掘によるもので、同市文物管理局はこの企業に対してすでに5回におよぶ採掘停止命令を出している。しかし、管理員が現場を離れると採掘をすぐに再開するなど、すでに50m近くが完全に破壊されており、状況は一向に改善されていない。

同自治区内で万里の長城が破壊されたのは今回だけにとどまらず、過去にも何度も発生している。1999年には道路建設のため2300年の歴史を誇る趙長城の一部が取り壊され、2006年にも道路建設のため約20mが破壊された。同じく06年にはマンション建設のため98mにわたって破壊されるなど、全国の各時代の万里の長城のうち約30%が存在する同自治区での保存・保護状態は極めて深刻な状況になっている。

内モンゴル長城文化研究センターの李永生(リー・ヨンション)主任は、その原因として「住民の保護意識の低さ」を挙げる。同センターが07年9月に行った住民1万人以上に対するアンケート調査によると、約90%の回答者が「同自治区内に万里の長城があることを知らない」と答えたという。また、存在を知っている人々の中にも「同自治区にある万里の長城は、壁の高さが低く、古くて壊れており、保護や利用価値が無い」と誤解している人が多く、李主任は「住民に対する告知不足が最大の問題」と指摘している。(翻訳・編集/HA)

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