Record China 2009年10月29日(木) 17時50分
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来年5月に開催される上海万博に向け、上海市政府は今年7月下旬より「パジャマ外出禁止令」の通達を出した。しかし、上海の人たちはそもそもなぜ、パジャマのまま外出するのだろう?写真は上海の長屋風集合住宅・弄堂。
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来年5月に開催される上海万博に向け、上海市政府は今年7月下旬より「パジャマ外出禁止令」の通達を出した。しかし、団地の敷地内や近所の市場、スーパー、商店などへパジャマを着たままで出かける風景は上海では珍しいものではなく、その長年の習慣を変えるのは一筋縄ではいかないようだ。
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「なぜそこまで干渉されなければならないんだ?」と多くの市民が反発する理由には、上海人の合理主義・現実主義が背景にあるようだ。「すぐそこまで出かけるのに、身なりを整える必要性はあるのか?」外見の体裁を取り繕うよりも、便利さ・気軽さ・気安さのほうが快適な生活には大事。そう考える人が多いという。
では、上海の市民はなぜ、パジャマで外出をするようになったのか?そもそもの由来は、パジャマがかつて、一部の特権階級の者だけが着用するアイテムだったからである。戦前は、金持ちか夜の世界の住人だけが着ていたパジャマ。この「ゆとり生活の象徴」が庶民に普及したのは70年代。流行好きでオシャレに目がない上海人は、自宅でパジャマを着るに飽き足らず、外へ出て行って“着飾った”自分をこぞって見せあいっこしたわけだ。
さらに、「弄堂(上海の伝統的な長屋風の集合住宅)」に代表される上海の劣悪な住宅環境は、私的空間と公的空間に境界線を引くことを許さなかった。一部屋に家族全員が眠り、お手洗いも台所もお風呂も数世帯で共用する。旧式の集合住宅ではそんな家庭も珍しくない。こうしたことも、部屋着で外出しても抵抗感を感じさせない風土をつくってしまったようだ。(翻訳・編集/愛玉)
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