Record China 2009年9月2日(水) 18時8分
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09年9月、「日本では、新型インフルで騒いでる割に死者は少ないけど、こうしているうちにも毎日100人くらいが自殺している」という趣旨のことを北野たけし監督が選挙結果判明後にテレビで語っていた。写真は中国の記者会見で足元に並べられた出演者のブランド品。
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2009年9月、「日本では、新型インフルエンザで騒いでる割に死者は少ないけど、こうしているうちにも毎日100人くらいが自殺している」という趣旨のことを北野たけし監督が選挙結果判明後のテレビ朝日の報道特集番組で語っていた。
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暫く前に多重債務に関する取材をした時、債務処理専門の弁護士は「人間関係のストレスのほとんどはお金で解決できる」とうそぶいていた。比率ははっきりしないが毎年3万人を超える自殺者の中には、多重債務など経済問題を清算しようとして命を絶つ人がかなりいるとも聞いた。
つい先日レコードチャイナで流れた記事で、中国の富裕層と日本の貧困層を比較したものがあった。実際、バブル崩壊からこの方、ワーキングプアーの発生や金融危機後の大量の派遣切りもあったりして、日本人はかなり傷んでいる。一方、中国では国内の経済格差は確かに大きいが全体として豊かになり、中所得層が数千万人の桁で誕生している。
「中国人は貧しい」と国籍だけで日本人が経済的な優越意識のようなものを持つことはできなくなっているのは現実だ。
それでも、金銭で表示できない何かが日本の貧困層には残っていて、経済力では抜かれても「日本には何か別の価値観がある」とでも主張できればいいのだろうが、やはり不本意に失業し、ワーキングプアーに成り下がっている人が圧倒的に多いのだろうから、それも難しかろう。まあ、まだ一人当たりGDPという比較は残されているが…。
自殺者のことは今回の日本の総選挙ではまるで争点にはならなかった気がする。いくら「弱肉強食の資本主義社会」とはいえ、経済的な絶望の末に死を選ぶ者を含むこれだけ大量の人を10年以上にわたって救えないのはやはり政治の貧困でもあろう。
新型インフルで一人、二人が死んだと騒いだり、「パンデミックだ」という発表に踊らされるのも、それはそれで仕方ないのだが、GDPで中国に抜かれる事態が現実味を帯びて語られ「落ち目」とはいえ「腐っても経済大国」のはずだ。その何分の1かでも年間3万人を超える自殺者へのケアに充てられないものだろうか。
自公の連立政権では見て見ぬふりをされてきた問題のひとつであり、政権交代に際して飛び出した北野監督の視点に感銘することしきりである。(NK)
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