国民貯蓄率が50%を突破=背景に社会保障制度の未整備など―中国

Record China    2009年7月8日(水) 22時8分

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2009年7月4日、国家統計局の馬建堂局長は北京市で開催された世界シンクタンクサミットに出席、2008年の国民貯蓄率が51.3%に達したことを明かした。写真は3月、河南省の農民に支給された穀物生産補助金。

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2009年7月4日、国家統計局の馬建堂(マー・ジエンタン)局長は北京市で開催された世界シンクタンクサミットに出席、2008年の国民貯蓄率が51.3%に達したことを明かした。中国新聞社が伝えた。

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GDP及び一人当たり可処分所得の急速な伸びに伴い、中国人の国民貯蓄率は上昇を続けている。1992年の36.3%から15ポイントもの増加となった。一方、米国の貯蓄率は2008年で12%。

馬局長の分析によると、貯蓄率の高さには3つの原因があるという。第一に東アジア地区特有の「節約を重んじ浪費を嫌う」文化。第二に中国では社会保障制度が未整備なため、老後などを考え貯蓄を重視していること。2008年、中央政府財政に占める社会保障費の比率は7.5%。ドイツの55%超、米国の30%超と比べると違いは明らかだ。

そして格差の拡大も原因の一つだという。低収入者の場合、収入の88%を消費に回しているが、高収入者の場合は64%しか消費に向けていない。中国では上位20%の富裕層に富が独占し格差が拡大しているが、貯蓄率にもその影響が現れているという。

一方、中国人民銀行の周小川(ジョウ・シャオチュエン)総裁は異なる見方を示した。GDPに対する家計の貯蓄額は20%前後で以前から大きな変動はない。増加しているのは企業及び政府の貯蓄だという。香港中文大学の劉遵義(ローレンス・ラオ)学長は株式配当などを通じて企業部門の利益を政府や市民に移転する必要があると指摘した。(翻訳・編集/KT)

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