<CTR特別提供・中国実態調査>視聴率至上主義からの脱却…改革迫られるテレビ業界

Record China    2009年2月18日(水) 7時0分

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2月、「08年省級衛星テレビ局の潜在能力と発展試算に関する報告」と題した最新調査は、金融危機の打撃にあえぐ国内テレビ業界のこれからを分析。「視聴率至上主義」からの脱却を提案した。写真はフェニックステレビの人気司会者・陳魯豫。

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2009年2月、「08年省級衛星テレビ局の潜在能力と発展試算に関する報告」と題した最新調査は、金融危機の打撃にあえぐ国内のテレビ業界のこれからを分析。「視聴率至上主義」からの脱却を提案した。中国の大手調査会社・CTR市場研究の特別提供記事。

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中国のテレビ業界は長年、媒体のブランド力を示す評価基準が存在しなかったため、「視聴率至上主義」に支配され続けてきた。これは目先の利益だけを優先し、視聴者の目を引くための過剰演出や他局企画のパクリなどの温床となってきた。視聴率は、市場や視聴者に対する宣伝ツールとして有効な反面、番組の低俗化を招くもろ刃の剣となってきたのである。しかし、マルチメディア時代が到来し、併せて金融危機による真冬の時代に突入した今、テレビ業界は明確な生き残り戦略を展開せねばならない。視聴者のニーズや嗜好をきっちりと捉えたブランドイメージ形成、安定した視聴者層の獲得と、彼らの満足度維持が今後の一大テーマとなってくるだろう。CTR市場研究では、香港のテレビ局・フェニックステレビ(鳳凰衛視)の成功例を紹介し、視聴者の支持を獲得する戦略を以下の3点に総括した。(編集部注:フェニックステレビは中国本土を含めた中国語圏、世界150か国に放送する民間テレビ局である)

1)ハイエンドな視聴者層をターゲットに

多くのテレビ局が「大衆化」「ドメスティック路線」に走るなか、フェニックステレビは高学歴・高収入なハイエンド層をターゲットに、全世界の中国系視聴者に向けて高い文化水準を備えた番組作りを行ってきた。08年上半期にCTR市場研究が行った視聴者満足度調査では、多くの回答者がフェニックステレビを視聴して「視野が広まった」「生活クオリティの向上を感じた」としている。

2)広く、深く、ニュートラルな視野で展開

フェニックステレビはその発信地・香港の歴史的背景から、国際的な視野と多角的かつ冷静な分析力を標榜してきた。同じく08年上半期の視聴者調査では、多くの回答者が同局を「視野が国際的」と捉えていたとともに、豊富で深みある内容、冷静な論点、独自性ある新しい切り口などを評価している。

3)内容至上主義

フェニックステレビは多彩さよりも専門性を重視した、メディア性の高い番組構成を貫いている。情報の取捨選択とていねいな加工過程を経て発信する、独自性を重視した展開が他局との差別化を図り、視聴者の信頼を獲得した。(翻訳・編集/愛玉)

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