かつては歌唱力が最重要視され、歌謡曲調のポップスが席巻していた香港・台湾の音楽シーンだが、近年は自身で創作もこなす新勢力が台頭してきている。この特集では90年代以降の代表的な男性実力派歌手らを振り返り、C-POPの歴史を紐解く。

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ブラック・ミュージック不毛の地・香港に、70年代の香りも濃厚な本格派R＆Bを持ち込んだ若き旗手、カリウ・フォン(方大同)。ドラマーを父に、作詞家を母に持ち、幼いころからスティービー・ワンダーやマーヴィン・ゲイなど本場のソウル音楽に傾倒してきたカリウの出現は、「全く毛色の違う」衝撃的なものだった。複雑なコード進行や符割りを配した大人のサウンドに、器用に軽やかなボーカルを載せ、その雰囲気を壊さないよう、あえて北京語(注：香港の共通語は広東語である)での歌唱にこだわる。ブラック音楽好きらしくダンスも抜群で、マイケル・ジャクソンの真似をたびたび披露している。

●カリウ・フォン(方大同)

83年7月14日生まれの25歳。ハワイ出身。05年にデビュー。新城国語力賞で「最優秀シンガーソングライター賞」「最優秀男性歌手賞」「最優秀楽曲賞」の同時受賞などの受賞歴がある。代表曲に「愛愛愛」「LOVE SONG」「四人遊」など。(翻訳・編集/愛玉)