<映画の祖>TV時代で風前の灯、民間芸能・影絵に捧げる人生―河北省秦皇島市

Record China    2009年1月15日(木) 3時28分

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約2000年前に発祥した中国伝統の影絵劇「皮影戯」。映画芸術に多大な影響を与え、50〜60年代の農村部では冬の最大の娯楽として人気を博した。時代の流れに押され、先細るこの民間芸能を後世に伝えようと、河北省秦皇島市の老人が立ち上がった。

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2009年1月11日、中国の伝統芸能・皮影戯(ピーインシー)に一生を捧げる河北省秦皇島市の老人・賀福林(ホー・フーリン)さんが、若き後継者を求め、自身の技を無償で伝承する意思を表明した。

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「皮影戯(ピーインシー)」はおよそ2000年前の前漢(BC206〜AD8年)時代、現在の陝西省周辺で発祥した中国の影絵劇で、13世紀の元代にはイランやトルコ、アラブなどの中近東や、タイやマレー半島など東南アジア、欧州各国、さらには日本まで伝わった。芸能としては清代に円熟を極め、河北省で最も栄えた。厳格な世襲制で守られ、多くの名戯曲が京劇などの世界へ取り入れられた。中国では近代に誕生した映画に多大な影響を与え、「映画の祖」とも称される。

賀さんは今年85歳。5歳で影絵に魅せられ、10代から独学で影絵人形の制作を開始。以来、農業で生計を立てながら70年もの間創作を続け、500体ものコレクションを所有している。丈夫で透明性の高いラクダか牛の皮を材料とし、頭や手足、胴体など11のパーツで構成された人形は、胴体部分と左右の手に取り付けられた3本の棒で操作し、演者は人形を動かしながら歌い、演じる。まるで皮革製品とは思えぬような繊細さや華やかさを備え、時には国賓への贈り物にもされるという。

賀さんは人形制作だけではなく、自身も精力的に演じている。かつて影絵が最盛期を誇った50〜60年代、雪深い北部の農村では、影絵は数少ない冬の娯楽として愛されていた。いまやテレビや映画に取って替わられた時代の遺物であるが、賀さんはこの伝統芸能を後世に残すことを自らの責務とし、近年は地元新聞社などに呼びかけ、「無料で匠の技を伝えたい」と告知を出し続けているという。(翻訳・編集/愛玉)

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