Record China 2008年10月6日(月) 19時25分
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日本で中国語を教えて半年になる派遣教師。今でも毎日がカルチャーショックの連続だが、特に驚いたのは、自国の文化が「日本式に“改良”されて」本来とは違ったかたちで日本に根づいていることだった。写真は“中国式”刺身の船盛り。
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中国から派遣され、はるか札幌へ中国語を教えに来て、はや半年が過ぎようとしている。その間ほぼ毎日のように、いわゆる「カルチャーショック」を経験している。毎日が疑問の数々、困り果てながらも、なかなか楽しんでもいる。
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日常的に不思議に思っているのは、中華料理の「麻婆豆腐(マーボードウフ)」やら「青椒肉絲(チンジャオロースー)」やらが、日本では何故こんなに人気なのか?ということだ。これらは、本国・中国ではどこにでもあるありふれた料理だ。絢爛多彩な美味を世界に誇る中華料理のこと、日の目を見るべき料理はもっとほかにたくさんあるだろうに、というのがこちらの思うところであるが、一旦定着したイメージはそう簡単に塗り替えられないようだ。現にある日の授業で、学生たちにレストランでの会話を練習させたところ、彼らの「注文する料理」は決まって「麻婆豆腐」と「青椒肉絲」だったのだから。
さらに、実際教壇に立つと、「日本式中国語」にもよく出くわす。学生らに中国語での自己紹介をさせると、彼らほぼ全員が「どうぞよろしく」を意味する「請多関照」を末尾につけたがる。果たして中国人同士の自己紹介で、誰がお辞儀をしながらこの言葉を口にするだろうか?とその度に考えてしまう。実際、中国人はこのような格式ばった言い回しはほとんど使わない。しかし、テレビの中国語講座を見ると、中国人講師も福原愛ちゃん(編集部注/福原愛さんはNHK「とっさの中国語」に出演)も、こぞって「どうぞよろしく」を連発している。テレビ講座までがこの言葉の市民権獲得を応援しているのだから、これでは無理はないと思った。
以上の事例を鑑みて、結局辿りつくのは、異文化の移入には「ローカル化」というプロセスが必ず存在するということである。つまりは「郷に入っては郷に従え」ということだ。かくして、日本における中華料理の代表は「麻婆豆腐」や「青椒肉絲」となり、「日本式中国語」が誕生することになるのである。
いつか、上海の様子をリポートしたテレビ番組を見た。VTRは、現地の人々が日本料理店でマグロの刺身を食べている光景を映した。彼らは日本の常識では考えられないほどたくさんの醤油とワサビをつけて食べている。それを見て、「あんな食べ方はもったいない」と日本人ゲストの皆が口を揃える。しかし、考えてみれば、いったん中国に伝わった日本料理の食べ方は、中国人に任せるしかないのだ。彼らがおいしいと感じるやり方で食べるべきなのである。それと同じように、中華料理が日本に紹介されたら、その受け止め方も日本人次第である、と最近はついに諦念したのである。(張秀強/32歳/男性/在日半年/派遣教員)
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