2008年9月3日、英紙デイリーテレグラフは2日、中国人民銀行（中央銀行）が英電力大手ドラックスの株式0．7％を取得したと報じた。

同紙によれば、人民銀は過去1年をかけて同社株を徐々に買い増していた。株式の取得総額は1800万ポンド（約3220万米ドル）とされる。

ドラックスの広報担当は、人民銀の出資を認めた上で、「長期的な投資家を歓迎する」と述べた。ただ人民銀の広報担当は「はっきりしたことは分からない」とコメントしている。

中央財経大学・中国銀行業研究センターの郭田勇主任は同報道について、「人民銀は海外に直接投資する機能を持たないため、傘下機関を通じての出資だろう」と指摘。その上で、「政府系ファンドの過去の海外投資は金融分野を対象としていたため、米サブプライム問題の影響をもろに受けて投資損を計上。外貨資産が目減りした。海外のエネルギー分野の株価は軒並み上昇しており、投資の矛先を同分野に向け始めたのではないか」と分析した。

また「中国のエネルギー消費は10年後に米国を超えることが予想され、海外のエネルギー資産の一部を掌握しておくことは必要だ」との見方も示した。（翻訳・編集/HI）