<四川大地震><雲の上の民族>瓦礫に埋もれた有形・無形の文化遺産―チャン族

Record China    2008年6月4日(水) 9時48分

拡大

30日、四川大地震による被災で少数民族・チャン族の文化的遺産が壊滅的な打撃を受けている。貴重な歴史文化が有形無形を問わず、復興の見込みが立たない状態だという。写真はチャン族の女性。

(1 / 5 枚)

2008年5月30日、四川大地震の被災区に多く居住していた「雲の上の民族」とも呼ばれる少数民族・チャン族の文化的遺産が壊滅的な打撃を受けたことを受けて、「四川地震被災区チャン族民族文化救済および保護座談会」が国家民族事務委員会によって開かれた。大手ポータルサイト・捜狐(SOHU)のブログより抜粋。

その他の写真

二十四史のひとつである「後漢書」にも記載のある彼らの優れた建築技術をはじめ、ユニークな飲食文化、精緻な刺繍工芸など、チャン族には守るべき特有の文化が非常に豊富である、と語るのは中国社会科学院民族学・人類学研究所研究員の孫宏開(スン・ホンカイ)氏。しかし、このほどの震災でチャン族は2万人の犠牲者と行方不明者を出し、伝統文化の継承媒体である「人」そのものを多く失った以外に、有形文化遺産、無形文化遺産も大きな喪失を経験した。

伝説の王朝・夏の創始者である大禹の故郷と伝えられる北川遺跡や、秦代から伝わるチャン族部落の遺跡など、歴史的に貴重とされてきた有形文化遺産の修復は困難を極めると見られている。また、四川省社会科学院チャン族文化研究所の謝興鵬(シエ・シンポン)教授は「無形文化遺産を修復するのはさらに困難」と語る。チャン族は固有の文字を持たず、その文化は長老からの口述というかたちで脈々と受け継がれてきた。しかし、多くの歴史文化の生き証人たちが震災の犠牲者になってしまった。さらに、貴重な文献資料を収めていたチャン族文化民族館や社会科学院チャン文化研究所なども震災によって瓦礫に埋もれてしまい、発掘作業は絶望的な状況に置かれているという。(翻訳・編集/愛玉)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携