「二次元」の人気過熱を後押しする中国の若い世代、消費者は2.6億人規模に―中国紙

人民網日本語版    2017年8月1日(火) 22時30分

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夏は新しいアニメやゲームが続々と登場するシーズンだ。最近、大型アニメフェスティバルが広東、上海、貴州などで続々と開催され、「二次元」の消費が過熱している。資料写真。

夏は新しいアニメやゲームが続々と登場するシーズンだ。最近、大型アニメフェスティバルが広東、上海、貴州などで続々と開催され、「二次元(アニメ・漫画・ゲームなどをまとめたジャンル)」の消費が過熱している。「二次元」は元々アニメ用語で、2D画像で構成された文化商品とその関連商品を指す。アニメと文学、ゲーム、映画・ドラマ、音楽などが融合すると、バラエティに富んだ文化の形式や各種関連商品が誕生する。業界関係者は、「伝達の効率が良く、異なる文化を持つ国々に受け入れられやすく、ファンが多いという特徴を背景に、『二次元』商品は、文化娯楽消費において重要な地位を築くようになっている」と分析している。人民日報海外版が伝えた。

バラエティに富んだ作品が登場

このほど、北京地下鉄15号線の望京駅内の天井や柱に、動画サイト騰訊(テンセント)の夏企画「うるわしい季節に火をつけよう」の広告がアニメキャラクターと共に登場した。構内のあちらこちらに広告が掲げられており、多くの人の目に留まっている。「90後」(1990年代生まれ)の肖■さん(■は日へんに斤)は取材に対して、「こちらまで本当に熱く盛り上がる!駅の中のこの企画を見るために、地下鉄で1時間も遠回りして通勤した」と話した。

近年、中国ではバラエティに富んだ「二次元」文化商品が登場し、それらが多くの人の視野に入るようになっている。それも、「二次元」市場が拡大している主な原因の一つだ。

現在、「二次元」に端を発する言葉やSNSのスタンプなどが、人々の生活において欠かすことのできない一部分となっている。例えば、「西遊記之大聖帰来 (Monkey King:Hero is Back)」や「京劇猫(BeijingOperaCats)」など、中国国産の名作アニメが好評を博し、アニメ、ゲーム、小説などの実写版映画やドラマが上映、放送されているため、誰でも「二次元」文化の魅力を感じることができる状況になっている。

「二次元」消費者の経済力が向上中

「二次元」が大人気なっている背後には、消費者グループの構造の変化がある。調査会社の艾瑞諮詢(iResearch)が公表しているある報告によると、中国の「二次元」の消費者は2億6000万人に達しており、その大部分が「80後」(1980年代生まれ)、「90後」、「00後」(2000年代生まれ)だ。2016年、中国の「二次元」の中心的な消費者は7000万人に達しており、「二次元」の一般的な消費者は2億人に達した。

業界関係者によると、「90後」と「00後」のほとんどは、物質的に裕福な時代に成長したため、その消費をめぐるニーズや能力は、明らかに前世代を上回っている。また、それらの若者が少しずつ社会に出て、安定した収入を得るようになっており、「二次元」文化商品を消費する能力も自然と向上している。その他、同年代の若者はインターネットをよく利用し、同じ趣味を持つ多くのネットユーザー同士がコミュニティを形成するというのが特徴となっている。そのため、「二次元」商品は、コミュニティやファンによって一気に拡散し、非常に効率よく宣伝されるという魅力がある。

成長のためにはイノベーションが不可欠

北京市社会科学院の副研究員・景俊美氏は、「『二次元』市場には巨大なポテンシャルがあるものの、中国の企業にとってネックとなっているのは、効果的に利益を上げる体制が確立されていないこと。中国に比べると、日本や米国、フランスなどの先進国には成熟した産業チェーンがある。また、中国の企業の利益を得る方法は単一的で、体系が確立されていない。その他、名作を我慢して作り上げておらず、マーケティングの方法も時代遅れ。市場の研究も不十分で、収集性が低く、コピー作品の問題も深刻となっている。これらも克服しなければならない課題だといえる」と指摘する。

また、「大きな市場規模や豊富な文化ソース、政策の積極的なサポート、自由な融資環境などが、中国の『二次元』消費の活力を支える基礎。今後、関連の企業は、優良コンテンツの生産やゲームの収益率を高めることを一層重視しなければならない。また、学校は人材育成スタイルも改善し、業界が必要としている総合型人材の育成に力を入れなければならない。政府は、産業の環境を整備し、クリエイティブを奨励し、コピー版を撲滅しなければならない。日本では、アニメとその関連商品の収益率が3対7、欧米では1対9となっている。中国がそのような収益率を実現するまでの道のりはまだ長い」と指摘した。(提供/人民網日本語版・編集KN)

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