人民網日本語版 2017年7月1日(土) 8時40分
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中国の自転車シェアリング企業・摩拜単車はこのほど、福岡に続いて、札幌でも、サービス提供をスタートさせることを発表した。日本列島を挟み撃ちする形だ。また、年内にはサービスを提供する都市を主要10都市に拡大する計画だ。
中国の自転車シェアリング企業・摩拜単車(モバイク)はこのほど、福岡に続いて、札幌でも、サービス提供をスタートさせることを発表した。日本列島を挟み撃ちする形だ。また、年内にはサービスを提供する都市を主要10都市に拡大する計画だ。新華社が伝えた。
日本に住む中国人は、モバイクの日本上陸を首を長くして待っており、多くの日本人もモバイクに興味津々となっている。もちろん、モバイクが日本で成功できるのかということに懐疑的な見方をする人もいる。
▽試乗する日本人記者も
今月23日に東京で開催された記者会見で、モバイクで海外展開を統括するクリス・マーティン氏は、日本市場進出について説明した。
英国人であるマーティン氏は、日本や台湾で勉強していた期間があり、英語だけでなく、日本語にも精通している。そんなマーティン氏は、記者会見のステージに、自社開発・生産する自転車に乗って登場し、日本語で、自社の急速な成長やモバイクの特徴について説明した。
日本の報道陣はモバイクに興味津々で、次々に質問が飛んだ。そして、記者会見後も多くの日本人記者がモバイクを取り囲み、中には狭い会場で試乗する記者もいた。
北京の街の至る所にモバイクなどのシェアリング自転車があり、スマホを使って決済を済ませていると聞いた日本人記者は、中国ではモバイル決済が広く普及していることに驚きを隠せなかった。
▽「最大の課題」をいかに克服するか
日本時事通信社は、中国のシェアリング自転車のスタイルについて、「駐輪場所の確保という日本ならではの問題が残っている」と指摘する。周知のとおり、日本の大都市の道路は狭く、特に、混雑している区間は自転車をどこにでも放置していいというわけにはいかない。乱雑に放置すれば、混雑の原因になってしまうだけでなく、違法駐輪の警告札を貼られて撤去されてしまう可能性もある。
そのため、日本市場に進出するためには、モバイクは中国で採用している「乗り捨て」というスタイルではなく、行政と協力する道を探し、行政の指導の下でコンビニなどと提携を展開し、専用の駐輪場を設けて自転車を管理したほうがいい。
マーティン氏は、「福岡と札幌とは既に提携することで合意した。この2都市はモバイクを通して、住民や観光客のために、交通の便を改善することをとても歓迎してくれている。他にもいくつかの都市と、順調に話し合いを進めている」とした。
また、「当社は日本進出のために、日本の法律・法規を遵守し、現地自治体の指導の下、さまざまな業者と提携する形で専用の駐輪場を確保したい」とした。
現地自治体も多くの提携パートナーをモバイクに紹介し、それらの業者も自社の敷地内に駐輪スペースを提供する意向を示しているという。業者にとっても、来店客増加につながる可能性があり、「ウィンウィン」の提携スタイルになるかもしれない。
規定に反した駐輪に関して、マーティン氏は、「ポイント制を採用し、違反があれば、減点対象となり、次にモバイクを利用する時の代金が高くなる」と説明した。
運用する自転車の具体的な台数について、マーティン氏は、「初期段階は、具体的な目標は設定せずに、必要に応じて、必要な数だけのシェアリング自転車を運用し、その台数を少しずつ増やしていく」とした。
▽日本でもモバイル決済採用
モバイクの日本上陸に残るもう一つの課題は決済方法だ。日本では、中国と比べるとモバイル決済の普及が全く進んでおらず、多くの日本人は現金かクレジットカードしか使わない。
その点について、マーティン氏は、「当社は、日本では、アプリでクレジットカードと紐づけできるシステムなど、複数のモバイル決済方法を採用する」とし、「当社は技術系会社で、モバイル決済以外の決済方法は採用しない」と強調した。また、具体的な料金は挙げなかったものの、日本でも「気にならない価格」で展開するとした。
▽東京進出のためには「いろんな可能性がある」
モバイクが今後、首都東京に進出する可能性もある。しかし、東京は公共交通機関が非常に発達しており、道路は狭く、坂が多いため、自転車移動には適していないという声もある。そして、モバイクが専用の駐輪場を設置する計画であることを知った日本の記者は、その便宜性に懐疑的な見方を示した。
シェアリング自転車にとっての不利な条件について、マーティン氏は、「当社は必ず解決策を見つける。将来的にはいろんな可能性があると考えられる」とし、それぞれの土地の状況に合わせて変速機付きの自転車や電動自転車などを日本の各都市に投入する可能性をにおわせた。
▽気をもむ日本のネットユーザー
中国のシェアリング自転車が日本に上陸することについて、日本のネットユーザーからは、「はやく私の住む街にも来てほしい」と期待する声のほか、「乗り捨てできないなら、シェアリング自転車の魅力が半減する」や、「シェアリング自転車があちらこちらに放置されると混雑の原因になる」、「北海道の札幌は冬が長く、自転車を乗る機会が少ないし、外国人観光客が冬に自転車に乗ると事故を起こしやすいのでは」などと懸念する声も上がっている。
モバイクが日本で根を生やし、大きな成長を遂げることができるかは、その運営が正式にスタートするまで分からない。しかし、中国の企業が開発し、急成長しているシェアリングエコノミーが日本にまで波及しており、今後、一層多くの中国のハイテク企業が日本へ進出すると見られている。
日本時事通信社は、「モバイクが成功すれば、中国のライバル社も追随し、日本を舞台に激しい競争が繰り広げられる可能性がある」と予想している。
モバイクが今後、中国人観光客が日本を観光する際の「足」となる可能性も十分あり、そうなれば、モバイクの中国のユーザーが日本に行って微信(Wechat)を使って自転車に乗れる日も来るかもしれない。(提供/人民網日本語版・編集KN)
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