消息筋によると、中国の「次期ファーストレディ候補」とも言われる同国の国民的人気歌手・彭麗媛さんによる日本での「日中青少年友好交流年」記念コンサート「日中・春の祭典」への登場が延期された。主催者である日本中華総商会はその理由について「チベット暴動などが理由で胡錦濤主席の来日が当初予定よりずれ込み記念コンサートと重なったため」としている。同コンサートは今年の胡錦濤国家主席来日に関連したビッグイベントの目玉として期待されていた。

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北京五輪の聖火リレー妨害などチベット問題をめぐる混乱が内外で伝えられる中、警備上の問題などから政治的な判断があったとの観測も出ている。胡主席来日への影響については、外務省筋は「公演の内容は出演者も含め主催者が自主的に決めていること」としている。

彭さんは、「胡主席の後継者候補」とされる習近平国家副主席の妻。中国国内では、習氏が2007年3月上海市のトップである同市党委員会書記に就任した時点でも「奥様の知名度のほうがはるかに高い」と言われていた。日本の紅白歌合戦に当たる旧正月前の特別番組「春節聯歓晩会」でトリを務め「中国の小林幸子」ともされる第一線のスーパースターだけに、在日のファンの間からは失望の声が上がっている。

なお、記念コンサート自体は、「元々上海万博用に準備していた日本での上演が世界初公開となる」（日本中華総商会）という他の演目に差し替えて当初予定通りの5月6日東京・渋谷区の新国立劇場・中劇場で行われる。第1部に日中児童合唱団による合唱が披露され、当初予定では、第2部のコンサート形式で上演される「中国が威信をかけて製作した」という歌劇「木蘭詩篇」（Mu Lang poems）に主役として彭さんが登場する予定だった。日本側は指揮者の堤俊作、川本統脩両氏とロイヤルメトロポリタン管弦楽団が出演する。(編集部)