<点描・北京五輪>朝倉浩之の眼・鳥の巣で初の大会開催…競歩テスト大会―「コース長く、硬かった」

Record China    2008年4月22日(火) 20時22分

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いよいよメインスタジアム『鳥の巣』が18日、こけら落としを迎えた。18日、開催されるのは競歩の五輪テスト大会。最初の開催が「競歩」というのも、なかなかオツな選択である。

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鳥の巣で初の大会開催…競歩テスト大会

いよいよメインスタジアム『鳥の巣』が18日、こけら落としを迎えた。

今日、開催されるのは競歩の五輪テスト大会。最初の開催が「競歩」というのも、なかなかオツな選択である。

朝8時50分、盛大なBGMが場内に鳴り響き、最初の種目、男子20キロの選手達がトラックに姿を見せ、会場は大きな拍手に包まれた。この種目には中国をはじめ、日本、韓国、スリランカ、メキシコなど各国、そして中国国内の各省の代表が出場。『鳥の巣』最初の金メダルを目指して戦う。

日本からは、北京五輪出場を確実にしている山崎勇喜(長谷川体育施設)ら3人が出場している。山崎は先日、石川県で行われた日本選手権でA標準をクリアし、五輪代表入りを確実にしての出場である。

9時ちょうどに号砲が鳴り響き、一斉にスタート。80人の選手たちはトラックを2周半して、鳥の巣を出て、周囲のオリンピック公園を回るコースに出た。

9万人収容の巨大スタジアムだが、今日チケットが売り出されたのは観客席の下段のみ。赤と白が組み合わさった膨大な数の椅子の大半が空いている状態だ。観客席には、団体でやってきた揃いの黄色Tシャツの応援団がプラカードを掲げたり、ウェーブを作ったりして、独り気を吐いている。

選手が出て行ったスタジアムというのは空虚なものだが、場内にはオーロラビジョンによる中継とアナウンスが絶えず流れていて、それを見ながら、訪れた観客もときおり歓声を上げる。北京市民にとっても、五輪本番はチケットが手に入るとは限らず、場合によっては、これが鳥の巣を見る『最後のチャンス』となるかもしれない。しっかりと目に焼き付けておこう…と、場内をあちこち『参観』する市民も多い。

なお、日本の山崎勇喜は1時間17分36で17位に入った。

競歩は、男子20キロに続いて、午後には女子20キロ。そして明日は男子50キロが行われる。

■■■2008年04月19日■■■

“鳥の巣”初大会の競歩、「コースが長く、硬かった」

北京五輪メインスタジアムの国家体育場(愛称:鳥の巣)での初大会となる競歩の五輪テスト大会は、今日の男子50キロで全日程を終了した。

昨日午前に行われた男子20キロには、エースの山崎勇喜をはじめ、日本人3選手が出場し、五輪コースの試走を行った。

ゴール後の日本人選手が語ったコースへの感想は「直線が長い」「路面が硬い」という2点だった。

競歩のコースは、国家体育場をスタートしたあと、外に出て、スタジアム西側の直線コースを往復するというもの。この直線コースが非常に長く、選手たちにとってみれば、限りなく続く道を歩き続けているような感じとなる。

次々と風景が変わっていけば競技中も気分転換になるのだろうが、このコースは、国家体育場などのメイン施設が入っているオリンピック公園の中であり、見える風景も非常に単調で、かわり映えしない。ここを走破するのは相当の忍耐力を必要とするだろう。

もう一つ、選手たちを悩ませたのが硬い路面である。路面は全て石畳が敷かれており、これがかなり硬い。『後半は足の裏が熱くなってきた』という山崎は「8月はもっと厳しくなる。シューズメーカーと相談して対策を考える」と語る。

私も選手たちが歩くのと全くおなじ石畳を彼らと同じように歩行してみた。

シューズも彼らとは違うし、単純には比較できないのだが、確かに、近くにあるアスファルトの路面が若干の柔らかみを足裏に感じるのに対して、この石畳は足の甲の部分に『ズンズン』と跳ね返りが加わり、衝撃が強い。

特に、北京は雨が少なく、乾燥しているからだろうが、表面に湿り気が全くなく、硬い表面の衝撃がそのまま足に伝わってくる気がする。山崎選手は『滑りやすいということはなかった』というが、これだけ乾いていれば、シューズの質と路面状況によっては、ズルリと足裏がすべるような感覚も受けるかもしれない。

『直線が長い』コース設定は対策のしようがないが、路面の衝撃については、今後、シューズの改良や歩行フォームなどにより、対応することは可能だろう。五輪100日あまり前のこの時期に、コースを実際に歩けた意味は非常に大きい。万全の対策を練って、本番に臨んで欲しいと思う。

<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>

■筆者プロフィール:朝倉浩之

奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。

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