<点描・北京五輪>朝倉浩之の眼・五輪に向け…ヒシヒシと“感覚”=北京空港第3ターミナル攻略法!

Record China    2008年3月4日(火) 10時6分

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北京五輪に向けた国家プロジェクトの一つ、北京首都空港の第3ターミナルが29日、運用を開始した。総工費は4000億円。総面積は100万平方メートルで、一つのターミナルとしては世界最大となる。

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五輪に向け…北京空港第3ターミナル攻略法!

北京空港の連日の大混雑が、これで少しは解消されるのだろうか…

北京五輪に向けた国家プロジェクトの一つとして建設が進んでいた北京首都空港の第3ターミナルが29日、運用を開始した。総工費は4000億円。総面積は100万平方メートルで、一つのターミナルとしては世界最大となる。3800mの滑走路を備え、運行に関する情報、監視体制、荷物の運搬などで、世界最新鋭のシステムが導入されているそうだ。

これにより、1日の発着能力は現在の1000便から1800便に拡張され、全体で年間7600万人の旅客を扱える『マンモス空港』となった。

運用初日の今日は、朝8:39に山東省の省都・済南からの山東航空SC1151が最初の着陸。前日から多くの記者陣が待機している中、「最初の旅客」王さん(女性)が国内線の到着ロビーに出てきて、多くのフラッシュを浴びた。

乗客の一人、山東省ツーボ市に住む劉さんは「新ターミナルに降りることは、機内で知った。(第3ターミナルは)天井が高く、開放感があってきれい。最初に来ることができて、非常に光栄です。」と笑顔で語った。

北京空港の利用客は年々、急増しており、昨年は世界第9位の5300万人余りに達した。空港ロビーも連日大混雑で、ベンチが取り合いになるほど。はっきりいって、とてもではないが、北京五輪を迎えられるという状態ではなかった。

今回、完成した第3ターミナルは、既存の第1、第2ターミナルとは数キロ離れた場所にあり、さながら独立した空港のよう。両ターミナルは7分おきにシャトルバス(無料)が走っており、今日、私が計測したところ、15分ほどかかった。途中、少し車が混んでいたものの、基本的には、このくらいかかるとみていいだろう。ターミナルを間違えると、少々やっかいなことになる。乗り継ぎの場合を含めて、空港を利用する際は注意されたほうがいい。

ちなみに、3月26日以降、日本航空と全日空も第3ターミナルに移転する。北京からの帰国の際に、バスを利用した場合は、最初に到着するのが第3ターミナルとなる(2月29日現時点のルート)ので、気に留めておいてほしい。

さて、新築の第3ターミナルは、まだ今日時点で航空会社が6社しか入っていないこともあり(山東航空、四川航空、カンタス航空、ブリティッシュ航空、イスラエル航空、カタール航空)、乗客も少なく、北京の空港とは思えないほど?広々とした感じがした。

先ほどの王さんの話もあったように、天井が非常に高く、また前面がガラス張りになっていて、非常に開放感のある空港となっている。

出発ロビーには、中華料理はもちろん、タイ料理や西洋料理のレストラン、またバーガーキング、ケンタッキーといったファーストフード店も入っていてグルメも楽しめる。また空港から出たところにはショッピングモールも開設され(現在は、まだ開店していない)、空港での時間つぶしは問題なさそうだ(笑)。

空港に到着してからの交通アクセスは、今のところリムジンバスとタクシー。リムジンバスは、これまでの2つのターミナルと同じく、北京市内各地6路線が15分〜30分おきに出発しており16元(400円)。

また7月1日には、空港と、市内一の交通拠点「東直門」を結ぶ空港鉄道が開通する。列車は8分〜12分おきに出発し、15分弱で市内にアクセスできるようになるそうだ。現在は、バスで1時間、渋滞に巻き込まれれば2時間以上かかることもある市内へのアクセスがオリンピック前には大幅に改善されることになる。

北京五輪の際は、各国の選手、要人、観戦客らが最初に訪れるのが、この北京首都空港。いわば「北京の顔」といってもいい場所となる。第3ターミナル周辺の道路は、ただでさえ広い北京の道路をもう一回り広くしたようなものが出来た。少しでも、国際的なイメージを良くしていきたいという中国の切実な思いの表れだろう。

北京五輪に向けた国家重点プロジェクトが一つ一つ、形になっていく…そして、北京に住む私たちも、五輪が間近になってきたことをヒシヒシと実感する。今この時期に北京に滞在することの最大の醍醐味は、この“感覚”である。

<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>

■筆者プロフィール:朝倉浩之

奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。

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