日本僑報社 2017年1月29日(日) 11時50分
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雲南民族大学の文家豪さんが記した作文からは、インターネットを活用した情報発信による相互コミュニケーション、その先にある平和への願いがひしひしと伝わってくる。資料写真。
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日中関係はまだまだ良好とは言えない状況が続いているが、インターネットを通じて日中の交流が盛んになっていると主張するのは、雲南民族大学の文家豪さん。文さんが記した作文からは、インターネットを活用した情報発信による相互コミュニケーション、その先にある平和への想いが伝わってくる。
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あまり難しい問題はよくわからないが、愚かは愚かなりに考えてみた。僕たち、つまり、今の青年は21世紀の情報化時代に育った。インターネットは僕らと共に成長してきた兄弟みたいなものだ。そんなインターネットはどんどん逞しくなり、いろんな所で僕たちの生活を支えている。例えば日中青年間の交流だ。
僕は一度も日本に行ったことがない。しかし、日本についてはそこそこ知っている。例えば、沖縄の人が日本で一番かつお節を食べるとか、博多弁をしゃべる女の子が一番可愛いとか……。なぜ知っているのかと言えば、それは幾人かの青年の存在があるからだ。名前は知らないが、彼らは日夜、日本のテレビ番組やアニメを録画して、そのデータをインターネットにアップロードしている。
彼らは海賊と呼ばれているらしい。やっていることはバリバリの著作権侵害。だが、この「悪さ」によって得をする人も少なからずいる。先に宣言しておくが、僕は知的財産権の保護を強く支持する。しかし、中国のさまざまな状況が彼らに活躍する場を与えた。そもそも、彼らがいたからこそ、日本のサブカルチャーが広まったのだ。そして僕のような人間がそれを貪り見ることになった。最近では中国も著作権問題に取り組み、それら海賊の活躍が減少した。これは両国にとって大きな一歩だ。特に中国にとっては、大きな成長と言える。
情報化時代の発展にともない、かつてない新しいメディアが芽生え始めた。それは自メディア(※個人や小規模で情報発信するメディア)だ。今はまだ発展途上だが、それほど遠くない未来、自メディアはメディア界の脅威になるかもしれない。中国で自メディアをやっている一人の日本人のことを話そう。彼は、自分でサブカルチャー的内容の動画を制作し、中国の動画サイトにアップロードしている。去年12月から今までの総再生回数は3600万回を超えた。そして、毎日20万回のスピードで再生回数を伸ばしている。僕はもっと勉強して日本に行き、中国を紹介する自メディアとして情報を発信したい。
表面的なものはともかく、今は中国と日本のインターネット上の交流は盛んになっている。もちろん、両国とも不穏な発言や行動は存在する。しかし、それは政治的かけ引きであったり、一部の偏見であったり、あるいは単に相手をけなすことに喜びを感じる人たちのくだらない行為だ。真実を見極めよう。あの70年前の戦争では両国とも多大な犠牲を払い、多くの人命が失われた。立場や目的が違うが、両国の男は家族のために戦った。戦争を終わらせるために戦った。女性も同じだ。彼らの血の代償によって得たこの平和は、国や立場を超え、後世に残してくれた祝福だ。
だが、今、その祝福を壊そうとする動きがある。戦争で命を落とした人々は、そんなことを望んでいないはずだ。中国と日本の和平は皆が望んだ結果ではなかったのか。再び戦争を起こすほど悲しいことはない。僕は愚かだが、この事態を避ける方法くらいは知っている。もっと、コミュニケーションをはかろう。日本の青年よ、僕はあなた方のことをもっと知りたい。(編集/北田)
※本文は、第十一回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「なんでそうなるの?中国の若者は日本のココが理解できない」(段躍中編、日本僑報社、2015年)より、文家豪さん(雲南民族大学)の作品「日中青年の交流について」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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