<点描・北京五輪>朝倉浩之の眼・バスケ界に冷水、NBAヤオミンが負傷で長期離脱…北京どうなる?

Record China    2008年2月28日(木) 10時36分

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バスケットボールの米NBAヒューストン・ロケッツで活躍する中国人選手、ヤオミンが左足を疲労骨折したことが分かった。27日早朝、ロケッツの公式ウェブページが伝えた。

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中国のバスケットボール界に衝撃…

NBAのヒューストン・ロケッツで活躍する中国人選手、ヤオミンが左足の舟骨(足指の親指付け根のあたり)を疲労骨折していたことが分かった。27日早朝、ロケッツの公式ウェブページが伝えた。同発表によると、全治3〜4か月。NBAの残り試合は欠場することが確実となった。ヤオミンは今季もチームの主力として活躍しており、平均得点は22点。ここ最近はチームも12連勝と波に乗っていただけに、チームにとっても、痛いケガとなった。なお、ヤオミンが欠場したロケッツは26日も試合を行い、ウィザーズを94―69で下し、連勝を13に伸ばしている。

このニュースは、中国のバスケット関係者、ファンに大きな衝撃を与えるものとなった。NBAの残り試合欠場はやむをえないとして、問題は8月の北京五輪。ヤオミンを中心としたチームで、五輪では上位進出、できればメダルを、と意気込んでいただけに、思わぬ冷水を浴びせかけられた格好だ。

国家代表はすでに3月7日に招集され、その後、南の島・海南島でキャンプを張り、5月以降は欧米の強豪チームとの練習試合が組まれている。去年の練習試合も、ヤオミンがいるときといないときでは勝率に大きな差があり、中国代表は完全に「ヤオミン色」のチーム。ヤオミンがいなければ練習試合も意味がない…といわれるほど影響力の強い選手だけに、このケガは衝撃的である。

なお、27日の夜の定時ニュース「新聞聯播」では、ロケッツのチームドクターの「8月の北京五輪までには回復する」とのコメントを報道。また夕刊紙「法制晩報」は整形外科の専門家の話として「手術はせず、安静にすべき。一般には全治3〜5か月だが、これまでの症例では2か月で回復した患者もいる」としている。同専門家は「西洋医学と中医学を組み合わせれば効果はテキメン」と楽観的な見方を示しているが、いずれにしても、「国家の英雄」の負傷、しかも時期が時期だけに、バスケット界のみならず、中国スポーツ界全体に与えるショックは、相当大きい。

ヤオミン自身も、このケガに大きなショックを受けており、涙を浮かべながら「本当につらい。みんな何も声をかけてくれない。周りに誰もいないようだ。この静けさが本当に怖い。」と報道陣に語ったそうだ。

<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>

■筆者プロフィール:朝倉浩之

奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。

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