対米貿易黒字トップの中国、対米輸出品の7割を米関連企業が製造=対中制裁は「米国第一」に逆行か―2位日本は大半を日系企業が製造

八牧浩行    2017年2月9日(木) 9時20分

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2016年の米国貿易赤字を最も計上しているのは中国で、3470億ドルと全体の47%を占めた。中国では輸出品の4割は外国企業が製造。対米輸出品に限ればその7割を米関連企業が製造している。写真は中国の自動車展示会。

2017年2月7日、米商務省が発表した2016年の貿易統計によると、米国の貿易赤字は全体で7343億ドルとなり、前年比1.5%減少した。モノの貿易での対日赤字は689億ドル(約7兆7千億円)となり、相手国別では日本が3年ぶりにドイツを抜いて中国に次ぐ2位に浮上。トランプ大統領が「不公平だ」と批判する自動車関連の対日赤字が526億ドルに増加した。

米国のモノの貿易赤字を最も計上しているのは中国で、3470億ドルと全体の47%を占めた。中国では輸出入ともに外資系企業のウエイトが高く、輸出品の4割は外国企業が製造。対米輸出品に限ればその7割を多国籍企業をはじめとする米関連企業が製造しており、中国からの輸入品に高関税をかければ米企業が苦境に立たされる仕組みだ。日本からの対米輸出のほとんどが日本企業によっているのと違いが際立つ。

米国の貿易赤字相手国の3位はドイツで、4位がメキシコだった。トランプ政権は日中独を通貨安誘導と批判するなど、貿易赤字削減の標的としている。メキシコには北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を突き付けて、貿易不均衡の是正を求めている。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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