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日本が特恵関税制度を見直し、その本当の理由は?―中国紙

人民網日本語版    2016年11月30日(水) 20時20分

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日本政府は現在、途上国支援のために輸入関税を低くする特恵関税制度の見直しを検討しており、中国を含む5カ国が2019年までに、同制度の対象から外される可能性が高くなった。資料写真。

日本政府は現在、途上国支援のために輸入関税を低くする特恵関税制度の見直しを検討しており、中国を含む5カ国が2019年までに、同制度の対象から外される可能性が高くなった。国際商報が伝えた。

日本政府は見直しの理由について、途上国の輸出産業の振興という特恵関税制度の趣旨を考慮すると、より必要とする国に対して特恵制度の恩恵を行き渡らせるほうがいいと強調しているものの、実際には政府の財政収入を増やしたいというのが本当の理由と見られている。

特恵関税制度は、開発途上国から輸入を行う際に、特定の品目を対象に関税率を引き下げる制度。発展途上国が輸出を拡大させることで、工業化の足並みを速め、経済発展を加速できるよう支援するのが狙いだ。現在、日本は143カ国・地域からの輸入品に対し、関税引き下げや免除を行っている。

日本は、2000年から、特恵適用除外措置を実施しており、3年連続で、1人当たり国民総所得(GNI)が1万2736ドル(約140万円)以上の国・地域を特恵関税の対象外としている。今月24日、財務省は関税・外国為替等の審議会で、特恵関税制度の対象国の要件を見直し、3年間のGNIが4125ドル(約45万4000円)超で、輸出の世界シェアが1%以上の国も対象外とする基準を新たに設ける方針を示した。

財務省の同議会の報告は、「参考」という形で、現在の所得や輸出の水準を維持するなら、ブラジル、マレーシア、メキシコ、中国、タイが適用対象外になるとしている。

日本の総合商社・丸紅の市場業務部中国グループの責任者・成玉麟氏は27日、取材に対して、「特恵関税は、日本の『関税暫定措施法』の一部で、今回の見直しは、同法の枠組みのもとでの改正で、実施するのは難しいことではない。財務省は、政令という形で実施できる。また、今回の同制度見直しの動議は、財務省が出所であるため、実施される確率が非常に高い」との見方を示している。

財務省の報告に付属している資料によると、欧州連合(EU)やカナダなど、中高所得国や地域(世界銀行の統計は、中所得国を高中所得国と低中所得国の2つに分類している)を、既に特恵関税適用対象外にしている先進エコノミーに合わせるのが今回の見直しの意図だ。特に、カナダに倣い、「輸出の世界シェアの割合」という条件を新たに加えた。財務省の今回の方針は、表面的に見ると、特恵関税制度の受益国が一部の高中所得国に偏在している現状を正し、本当に特恵の必要な国々に特恵を与えるようにするためであるものの、メディアは、実際には政府が財政収入を増やしたいというのが本当の理由と見ている。

財務省の報告によると、17年4月1日から20年3月31日まで、ここ3年間で、国別・品目別特恵適用除外措置基準に該当したとされる中国産の農水産品17品目のほとんどの税率を、2.4−2.5ポイント引き上げ、約60種類の輸入関税が免除されている鉱工業品の税率を世界貿易機関(WTO)の関連協定が規定している約2−8%に引き上げる。

成氏は、「税率が引き上げられ、中国産の商品は特恵関税の恩恵を受けている同類の商品に対して競争力を失い、中国の関連の輸出が減少する。しかし、逆に中国輸出業者の生産率が向上し、生産コストが下がり、輸出品の構造調整・向上につながり、革新も期待できる」との見方を示す。

日本にとって、関税を引き上げれば、確実に政府に財政收入が増える。しかし、日本の鉱工業系の加工製造や研究開発企業の使用コストも上昇し、輸入品が加税され値段が上がり、一般の消費者にも影響する。また、日本の中国産の農産品に対する依存度は高く、税率引き上げの際には、その品目を慎重に選んで、国内の消費者の反感を買うことがないようにしなければならない。

成氏は、「今回の関税政策の調整に対して、中国は日本政府と、WTOのルールの枠組み内で協議と調整を行い、貿易摩擦を避けなければならない」と指摘している。(提供/人民網日本語版・編集KN)

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