孫の世話をするため都会に出る「老漂族」、新別居時代に突入した老父母―中国

人民網日本語版    2016年9月21日(水) 14時10分

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中国で孫の世話をするため都会に出る「老漂族」が増加している。

60歳すぎの任月娥さんの故郷は江西省の農村だ。子供は2歳違いの息子と娘の2人で、いずれも省外の大学に進学した後、省庁所在地で働き、結婚して家庭を築いている。しかし任さんやその夫は「農村での生活に慣れ親しんでいるので、都会には数日間遊びに行くくらいならいいが、長くなるとあちこち具合が悪くなる」と話す。西安日報が伝えた。

だが、内孫や外孫の誕生にともない、彼らは居心地を云々できなくなり、孫たちの世話をするため都会に行かざるを得なくなった。しかも間の悪いことに、任さんの内孫と外孫がほぼ1カ月違いで誕生。任さんは「息子の嫁と娘婿の両親はどちらも身体の調子が良くないので、私と夫は、長沙と西安に分かれて、孫の世話をしに行かざるを得なかった」と語った。

2010年3月に西安にやってきてからというもの、任さんは夫とは1年に1度しか会えなくなってしまった。彼女は「夫と結婚してから、数十年一緒に暮らしてきた。こんなに長い間離れて住むことなどなかった。年を取ってから別居しなければならないなんて考えもしなかった」と話す。

「80後」(1980年代生まれ)が結婚・出産期に入った現在、任さんのように「仲睦まじい夫婦が年老いてから離れ離れになる」現象が、都市部でますます多くみられるようになった。

西北工業大学心理的カウンセリングセンターの徐鷹教授は、このような状況について「自分の両親はすでに年老いたカップルであり、愛や恋を語る年齢はとっくに過ぎ去ったのだから、離れて暮らしていても何ら影響はないと考える若い人たちがいるが、このような考え方はまったく誤った観念だ。年をとればとるほど、こういった感情を軽視できないのだ」と指摘する。

また、「多くの老夫婦は普段一緒に生活していても、1日中ほとんど会話もしないが、お互いに黙っていても心の中では安心感を得ている。高齢者は感情を表に出すことを得意としないだけで、だからといって高齢者に感情的な欲求が無いという訳ではない。いかなる感情も、夫婦間の愛情に取って代わることはできないのだ」と指摘。

そして、「老夫婦の別居という問題を解決するためには、家庭と社会がともに努力する必要がある。若い人は自分たちだけで子供の面倒を見る責任をもっと自覚し、年老いた両親に依存しないよう気を配る必要がある。どうしても他に方法が無く、両親のどちらかに来てもらい、孫を世話してもらう場合は、子として親の感情の動きに関心を払い、親と散歩や喋る時間を意識的に作り、暖かい一家団らんの楽しみを親に与え、連れ合いを恋しく思う辛い気持ちや心配をできる限り取り除くように努めなければならない。また、両親が会う機会を進んで作り出す必要がある。また老父母も子離れすることを学び、自分自身の生活にもっと関心を持たなければならない」とした。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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