大都市避け帰郷して起業が増加、通販分野がトレンド―中国

人民網日本語版    2016年9月16日(金) 14時10分

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大都市には不動産価格の持続的な値上がりや、交通渋滞、煙霧などさまざまな大都市病が次々に出現する。若い人は必ずしも大都市にとどまるべきとはいえない。故郷に帰って起業するのも悪くない選択だ。資料写真。

大都市には不動産価格の持続的な値上がりや、交通渋滞、煙霧などさまざまな大都市病が次々に出現する。若い人は必ずしも大都市にとどまるべきとはいえない。故郷に帰って起業するのも悪くない選択だ。一財網が伝えた。

阿里研究院がこのほど発表した中国国内初の帰郷しての通信販売分野での起業に関する研究報告書によると、帰郷して通販で起業というスタイルが新たなトレンドになっている。ECは草の根の創造力を効果的に発揮させ、若い人々の帰郷起業を推進する最大の動力源になっているという。

同報告書によれば、ここ2〜3年の間に、若い人が大都市を離れ、故郷で帰郷するというケースを、浙江省、江蘇省、広東省、福建省、河北省など各地でよく見かけるようになった。若年者が帰郷して起業する場合、ECに関わりがある事例が多く、ECプラットフォームで各地の特色ある製品を販売する人、故郷の親類や友人達が生活用品や生産用品を通販で購入するのをサポートする人、現地の通販向け宅配サービスを受け継ぐ人などさまざまだ。若い人が帰ってきて起業すれば、故郷には新たな活力が注入され、新しい顔を見せるようになる。

若年者にとって、帰郷起業に向かうエネルギーには積極的なものと消極的なものがある。積極的なものには、帰郷すれば家族の面倒を見やすくなる、通販事業の投資が少なくて済む、起業の夢を実現しやすい、通販利用者がどんどん増えている、同じ村に通販事業で成功した人がいる、などがある。消極的なものとしては、大都市ではもうけを出すことがますます難しくなっている、不動産価格の高騰、事業参入の難しさ、待つことが多く不安定、などがある。

経済社会の発展にともない、農村に目立った変化が生じていることもある。特にインターネットが一種のインフラとして、ますます多くの村をカバーするようになり、物理的な「デジタルデバイド」は縮小を続けている。また地方政府が起業・革新をますます奨励するようになり、起業家にとって良好な環境が生まれたことも背景にある。

移動の跡をたどると、帰郷モデルには省・自治区・直轄市をまたいだ帰郷、市をまたいだ帰郷、区・県をまたいだ帰郷の3タイプがある。阿里研究院のデータをみると、2015年から16年にかけて、全国の帰郷通販起業家では省をまたいだ帰郷が最も多く、全体の40%を占めた。中部・西部地域も省をまたいだ帰郷の割合が高く、55%を超えた。東部地域では市と区・県をまたいだ省内での帰郷の割合が最も高かった。

たとえば中部・西部の帰郷起業家では、もともと珠江デルタ地帯や長江デルタ地帯で働いていたという人が多く、北京市、上海市、広東省、深セン市から江西省、安徽省、湖南省、湖北省などの農村に帰るというルートをたどる人が多い。沿海地域の帰郷者では、広東省の広州市から普寧市へ、浙江省の杭州市から温嶺市へというルートが多い。

同報告書によると、15〜16年の帰郷して通販で起業する人が最も多かった9都市は、広州、杭州、上海、深セン、北京、東莞、金華、温州蘇州だった。

このうち出稼ぎ労働者が最も多い全国トップの経済大省・広東省は、省をまたいだ帰郷と省内での帰郷の割合が相当な数に上った。省内では東部の普寧市、恵東県、海豊県などの県エリアに移る人が多く、これは主に東部には軽工業が発達し、EC事業が活発な淘宝(タオバオ)村が多く、「潮州人」は商売や起業に長けているなどの要因があるためで、そのため帰郷起業家が全国で最多になる。省をまたいだ帰郷では、浙江、江蘇、福建へ移動することが多い。

北京と上海の両直轄市では、帰郷起業は省をまたいでのケースが多い。北京からは河北、浙江に移動する人が多い。上海からは江蘇、浙江に移動する人が多く、江蘇省の海門市や沐陽市へ移動するケースが多い。「EC都市」の杭州では省内での帰郷が多く、温嶺や桐郷市、海寧市などの県エリアに移る人が多い。

データをみると、帰郷通販起業が最も活発な10県・県市・鎮は、福建省石獅市、江蘇省常熟市、河北省白溝鎮、浙江省桐郷市、広東省普寧市、浙江省温嶺市、浙江省天台県、浙江省永康市、福建省晋江市、江蘇省海門市だった。浙江が最多で4カ所を占め、福建と江蘇が2カ所ずつ、広東と河北が1カ所ずつだった。

浙江、福建、江蘇が多いのはなぜか。アモイ大学経済学部の丁長発准教授は、「産業構造の特徴も重要な原因の1つ。浙江や福建などは産業構造では軽工業製品が主体で、繊維製品・靴類製品・帽子類製品などの産業が大いに発達している。軽工業はネットでの販売が比較的やりやすい産業でもある」と話す。

また中部・西部での帰郷起業も発展中だ。同報告書は中部・西部での帰郷通販起業が活発な10県・県市として、河南省新鄭市、湖北省枝江市、広西チワン族自治区東興市、四川省■(卑へんにおおざと)県、雲南省瑞麗市、江西省■(矛へんに夂の下に女)源県、江西省黎川県、湖南省長沙県、江西省廬山、安徽省望江県を挙げる。こうした地域では衣類・靴類製品がいずれも主力製品となっている。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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