<米大統領選>ヒラリー氏がトランプ氏に勝利する、安定感と党支持基盤が決め手=TTP批准、困難に―グレン・フクシマ氏

八牧浩行    2016年5月19日(木) 9時50分

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18日、米国政治に詳しいグレン・フクシマ元米通商代表部日本担当部長が記者会見。米大統領選は民主党のクリントン候補と共和党のトランプ候補の争いになるとした上で、「民主党の支持基盤が拡大しており、安定感のあるヒラリー氏が勝利する」と予想した。

2016年5月18日、米国政治に詳しいグレン・フクシマ元米通商代表部日本担当部長(現エアバス・ジャパン会長)が日本記者クラブで会見した。米大統領選は民主党のヒラリー・クリントン候補と共和党のロナルド・トランプ候補の争いになるとした上で、「民主党の支持基盤が拡大しており、安定感のあるヒラリー氏が勝利する」と予想した。TPP(環太平洋連携協定)について、米国が早期に批准するのは困難との見通しを明らかにした。発言要旨は次の通り。

トランプ人気は、予想以上の米国人の多くが現状に不満を持ち、閉塞感を抱いていることを表している。それは格差拡大など厳しい経済状況や、政治家へのワシントンDCの政治家への不信である。トランプ氏は教育レベルが低い人たちに小学3年生でも分かる平易な言葉で話している。テレビ番組の司会者の経験から、どうしたら視聴率(支持)が上がるか分かっている。

大統領選挙本選はヒラリー・クリントン氏とトランプ氏の争いになる。共和党支持者が多い白人男性は米国の人口に占める割合が減りつつある。一方で若者、アフリカ系アメリカ人、ラテン系、アジア系、LGBT(性的マイノリティ)など民主党支持者が多く、増加している。世論調査ではヒラリー氏が圧倒しており、優位は動かないだろう。同氏は政治家としてのカリスマ性に乏しいが、安定感があり、よい大統領になるだろう。

TPP(環太平洋連携協定)の米国批准は厳しい状態だ。11月の大統領選から来年1月の新大統領就任までのレームダック・セッションにオバマ大統領が主導して通すのが最も可能性が高いが、その可能性は50%以下だろう。トランプ氏だけでなくヒラリー氏も選挙戦で反対を表明しており、新大統領の就任後の批准はさらに厳しくなる。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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