<原油価格30ドル割れ>サウジ・イランの増産で、さらに下落へ=シェールガス採算コスト、25ドルに改善―国際協力銀行総裁

八牧浩行    2016年1月19日(火) 10時20分

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18日、渡辺博史国際協力銀行総裁(写真左)は記者会見し、原油価格について、「ホルムズ海峡をはさんだ産油大国であるサウジアラビアとイランが断交し、政治的戦略的な思惑から張り合って増産しているため、需給は改善しない」と指摘。続落するとの見通しを明らかにした。

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2015年1月18日、国際経済に詳しい渡辺博史国際協力銀行総裁(財務省元財務官)は日本記者クラブで記者会見し、1バレル当たり30ドルを割り込んだ原油価格について、「ホルムズ海峡をはさんだ産油大国であるサウジアラビアとイランが断交し、政治的戦略的な思惑から張り合って増産しているため、需給は改善しない」と指摘。原油価格はさらに下落するとの見通しを明らかにした。

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渡辺氏は1年前の15年1月の記者会見で、当時1バレル当たり40ドル台だった原油価格について、20〜30ドルに下落する可能性もある」と予想し、的中させた。新興国の需要減退や米シェールガス増産をその理由に挙げたが、今回の記者会見でも、「シェールガス生産の効率化が進み、採算コストが25ドルぐらいまで下がった」と言明。サウジ、UAE(アラブ首長国連邦)など湾岸の主要生産国が、シェールガスなど新興原油開発をけん制する狙いから、減産政策を取らないと指摘した。

また「原油安が進むと、エネルギー関連企業の業績が落ち込んだり、開発プロジェクトの採算が悪化したりする可能性がある」とし、石油産出国のロシア、インドネシアなどへの影響は甚大である一方、インドなど石油輸入国は恩恵を享受している、と分析した。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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