スモッグに関するうわさの真相、寿命が5年縮む?―中国紙

Record China    2015年12月11日(金) 13時22分

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9日、中国の華北地域で深刻なスモッグが発生している。米国科学アカデミー紀要に掲載された研究報告書によると、大気汚染により中国北方の住民の平均寿命が5.5年短くなり、肺がん・心臓病・脳卒中の発症率が高くなる。

2015年12月9日、中国の華北地域で深刻なスモッグが発生している。米国科学アカデミー紀要に掲載された研究報告書によると、大気汚染により中国北方の住民の平均寿命が5.5年短くなり、肺がん・心臓病・脳卒中の発症率が高くなるという。科技日報が伝えた。

◆寿命への影響は濃度次第

中国科学院大気物理研究所の王庚辰(ワン・ゲンチェン)研究員は、「スモッグが人体の健康を損ねることは、争うことのできない事実だ。気象学界でも医学界でも、その影響が認められている。一般的にPM2.5に含まれる成分が同じ場合、濃度が高くなるほど健康の被害が拡大する。濃度が同じでも成分が異なる場合、有毒・有害成分が多いほど健康の被害が拡大する。またPM2.5による健康被害は、人々の免疫や体質とも関係している。高齢者、児童、若者にもたらす効果は異なる」と指摘した。

◆スモッグの長期的な影響、SARSよりも深刻

中国工程院院士、著名な呼吸器科医の鍾南山(ジョン・ナンシャン)氏は、連日のスモッグについて「SARSよりも恐ろしい。影響範囲を見ると、スモッグは人々に普遍的に害をもたらすが、SARSは一部に限られている。スモッグの影響は持続的であり、その害も持続的だが、SARSはせいぜい1年未満だ」と述べた。

鐘氏は、「スモッグは呼吸器系のほか、心血管、脳血管、神経系に影響を及ぼす。しかし真っ先に影響を被るのは、やはり呼吸器系だ。北京ではこの10年間で肺がんが60%増加した。これは驚くべき数値であり、大気汚染が非常に重要な原因と言わざるをえない。人々が感じている喉頭炎、鼻炎、もしくは目などの症状のほかに、より長期的に考えると、人体へのより重大な危害は後から来る」と警鐘を鳴らした。

◆帰宅後に鼻を洗う

多くの人がスモッグに怯えているが、専門家は日常的な対策を強化し、体の抵抗力を強化すればそれほど恐ろしくないとしている。

まず、朝の運動をやめるべきだ。朝の運動で人体に必要な酸素量が増加し、呼吸に伴いスモッグに含まれる有害物質が呼吸器系に入り、健康を損ねる。太陽が出てからの運動に変えるか、室内での運動に変えるべきだ。次に窓を閉めきるべきではない。家の中には台所の油煙、家具の添加剤による汚染などが存在する。窓を閉め切り換気しなければ、汚れた室内の空気が同じく健康を脅かす。日差しが強く、汚染物質が少ない昼頃の時間帯に、短時間の換気を行うと良いだろう。換気の時間は毎回30分から1時間が適切だ。

また、できる限り道路から離れるべきだ。出勤・退勤のラッシュ時、夜の大型車が市街地に入る時間帯に、汚染物質の濃度が最高になる。専門家は「スモッグの日に外出する場合、できる限り鼻で呼吸するべきだ。鼻の中の絨毛が、一部の粒子状物質の肺への進入を防ぐことができる。外から帰宅後、鼻を洗うことを忘れずに」と提案した。

◆スモッグ対策の献立はデマ

SNSではよく「豚やアヒルの血でスモッグ対策」という情報が伝わるが、すべてデマだ。豚の血は一種の食べ物であり、消化器系を通じて人体に吸収され、肺に達することはない。人々がよく話題にする「肺の洗浄」は、主に大気中の粉塵・PM2.5の呼吸器系への害を減らすことを意味している。キクラゲや豚の血などが消化器系に入り、腸の中で食物繊維により一部の有害物質を吸収したとしても、PM2.5の肺への害を防げない。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)

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