Record China 2015年11月26日(木) 17時8分
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22日、マレーシアでASEANの一連のサミットに参加していた安倍晋三首相はインドネシアのジョコ・ウィドド大統領と会談した。資料写真。
2015年11月25日、経済参考報によると、マレーシアでASEANの一連のサミットに参加していた安倍晋三首相は22日、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領と会談した。日本メディアによると、インドネシアの高速鉄道の問題について、安倍首相はウィドド大統領に対し、「日本は実現可能な最良の提案を行ったが(受注できず)、率直に申し上げて結果には失望している」と語った。
この報道はさらに、両首脳の会談は20分前後にすぎず、「他の首脳と比べ短かった」と指摘している。これはインドネシア側に対する安倍首相の強い不満を示している。日本が得意とする高速鉄道プロジェクトで中国に負けたためだ。
日本はこれまでも自らの提案が最も優れていると主張してきた。今年9月になってインドネシア側が日本側に中国の提案を選ぶ予定であることを通知した時にも、菅義偉官房長官は、日本の提案は実現可能な最良のものであり、インドネシアが日本の提案を選ばなかったことは遺憾だとし、さらに「経緯が不透明で理解しがたい。信頼関係は損なわれた」と厳しく批判したとされる。
インドネシアで建設が予定されている高速鉄道は、首都のジャカルタと第4の都市バンドンを結ぶ総延長150キロメートルの鉄道だ。日本側は2011年には、ジャカルタ・バンドン高速鉄道プロジェクトに目をつけ始め、3回にわたる実現可能性研究報告を行ったが、インドネシア政府は一貫して態度の明確化を避けてきた。インドネシアの立場から見れば、こうした引き伸ばし策に出るのは理解できる。高速鉄道は投資額が巨大な一方、利益の見通しが立ちにくいためだ。巨大でリスクを伴う投資であり、インドネシアはより有利な条件がないかを探っていた。
インドネシア人は最終的に中国の競争者がやって来るのを見た。2015年3月、中国の高速鉄道はインドネシア市場へと勢い良く進出を始め、政府上層部の後押しを受け、中国とインドネシアの関係当局と企業はその後、ジャカルタ・バンドン高速鉄道の協力展開に関する了解覚書と枠組み協定にそれぞれ署名した。日中間の競争はいっきに白熱化した。
日本はこの圧力を受け、インドネシアでの説得活動を強化した。中国の謝鋒(シエ・フォン)駐インドネシア大使によると、2015年に入ってからインドネシアが最終的に落札相手を選択するまでだけで、日本政府は4回にわたって特使を派遣し、インドネシアでの陳情と説得活動を行った。日本政府と企業は実現可能性報告の調整を続け、争奪に全力を尽くした。
検討を繰り返し、一度は中国と日本の提案を退け、中速鉄道の建設に転換することを宣言したインドネシアだが、9月になってついに、中国の提案を選択するという決定を下した。決定的だったのは、中国の建設速度(建設周期3年、2019年に開通可)だけでなく、中国企業が全額融資を提供し、インドネシアのソブリン債による担保が必要ないことだった。
日本は「早くから起きていたのに、夜の集まりに間に合わなかった」ようなもので、事前調査報告にも1000万ドル(約12億3000万円)余りを費やしており、憤慨するのもわかる。だが日本メディアは経緯を振り返り、中国に負けたのは、中国側の融資の条件が優れていたことのほか、日本が油断していたことも原因となったと分析している。日本紙は安倍首相に近い人物の話として、日本政府はインドネシアのプロジェクトに対する中国の本気度を見誤ったとしている。
中国の高速鉄道がインドネシアの大型受注を取り付けたのには複数の要因がある。第一に、中国の高速鉄道技術は確実なもので、その名声は海外でも高い。第二に、政府各部門が全力で取り組み、指導層が自ら宣伝役を務めた。第三に、中国は十分な外貨準備を保有しており、有利な融資契約を提供することができた。中国企業がジャカルタ・バンドン高速鉄道を落札したという成功体験は、中国の高速鉄道による海外市場開拓の成功モデルとなる可能性もある。
ジャカルタ・バンドン高速鉄道は、日中両国による海外高速鉄道分野での初めての直接的な争奪戦となった。日本は失望と憤慨を感じているが、自らに足りなかった点を認識し、教訓を汲みとってもいる。タイではすでに高速鉄道の協力意向で覚書を交わしており、米国とはテキサス高速鉄道の建設について交渉を進めている。将来の市場競争はますます激しいものとなる見込みだ。ジャカルタ・バンドン高速鉄道での契約取り付けは成果ではあるが、巨大な圧力ももたらしている。中国は今後も油断してはならない。(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)
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