辺野古新基地建設を中止し、普天間駐留オスプレイの県外移設を!=埋め立て強行なら日米安保最大の危機に―米政府有力ブレーンらが警告

八牧浩行    2015年11月20日(金) 8時57分

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普天間飛行場返還の日米合意の際にクリントン米側のブレーンを務めたマイク・モチヅキ教授(写真右から2人目)と橋本晃和桜美林大学大学院特任教授(同3人目)が講演。普天間飛行場早期廃止と同飛行場に駐留するオスプレイ24機の県外移駐などを提案した。

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2015年11月18日、普天間飛行場返還の日米合意(1996年)の際にクリントン政権のブレーンを務めたマイク・モチヅキ米ジョージ・ワシントン大学教授と橋本晃和桜美林大学大学院特任教授が日本記者クラブで講演した。普天間飛行場に駐留するオスプレイ24機の県外移駐と、キャンプ・シュワブ(名護市)でのヘリポート新設による海兵隊の運用などを、現実的な解決策として提案。「費用がかからず、環境への影響もない。短期に実施できる」と日米両政府に対し検討するよう求めた。さらに、辺野古新基地建設の強行により、反対の民意が東アジア最大の嘉手納基地撤去にも広がる懸念があるとし、「日米安全保障の最大の危機を迎える」と警告した。

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米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先とする沖縄県名護市辺野古の沿岸部の埋め立てを巡って国と沖縄県が鋭く対立しているが、その解決策として注目される。

両氏の提案は

(1)埋め立て予定地に隣接する米軍キャンプ・シュワブ(名護市)内にヘリポートを設置する。

(2)現在の空軍基地(例えば九州地区)を自衛隊や米海兵隊の共同施設として改修、普天間飛行場に駐留している垂直離着陸輸送機オスプレイ24機の施設とする。

(3)普天間飛行場をできるだけ早く廃止する。那覇空港の第2滑走路ができるまで予備施設として確保する。

(3)沖縄からグアムへの海兵隊の移転を加速させる。

(5)オスプレイのキャンプシュアブのヘリポート活用が可能となれば、海兵隊の運用も可能となる―というもの。

モチヅキ教授は、米国内でアーミテージ元国務副長官、ジョセフ・ナイ元米国防次官補、アマコスト元駐日大使ら有力者が相次いで辺野古新基地建設に疑問を呈している、と指摘した上で、「米国内で、再検討の機運は熟しており、日本側が新たな案を出す時期である。提言案を日本政府が検討して決断すれば、日米、沖縄3者に利益をもたらす」と強調した。さらに「長距離輸送が可能なオスプレイを本土から飛ばせば、キャンプ・シュワブで地上部隊を乗せて訓練に向かうことなどが可能になり、現在のように輸送機を海兵隊の近くに展開する必要性が低くなる」と語った。

 

橋本教授は「県外移転は不可能というのは神話であり、いずれ県民は埋め立てに同意するという“東京の声”は虚説だ」と指摘。「普天間の固定化を防ぐために辺野古移設を変えないと日本政府は言うが、辺野古埋め立て工事が完成し、10年移設が完了するまでに10年以上かかる。その間、大惨事が起きるかもしれない。今後の裁判闘争の拡大につれ、沖縄の民意はさらに過激化することになろう。県内の新基地反対の民意が穏健派と急進派に割れて、急進派の『嘉手納基地も撤去せよ』という声も強まっていく。それこそ日米安保最大の危機を迎えることになる」と訴えた。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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