在中国日系企業、事業拡張意欲が17年ぶり最低に―中国メディア

Record China    2016年1月2日(土) 17時10分

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1日、在中国日系企業の事業拡張意欲が17年ぶりの最低を記録し、38.1%にとどまった。

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2016年1月1日、日本貿易振興機構(ジェトロ)がこのほど発表した2015年版の「在アジア・オセアニア日系企業実態調査」によると、在中国日系企業の事業拡張意欲が17年ぶりの最低を記録し、38.1%にとどまった。一財網が伝えた。

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データをみると、15年1〜11月の日本から中国への直接投資は前年同期比25.3%減少し、持続的減少の傾向が続いた。これと同時に、日系企業がアジア地域で直面する最も大きな管理上の問題は賃金上昇で、特に中国とインドネシアでの賃金上昇だった。調査対象となった日系企業の8割以上が賃金上昇を問題として挙げた。

▽在中国日系企業はパキスタンでの事業拡張に転換か

ジェトロは今回行ったアンケート調査を通じて、日系企業の中国事業の経営実態や今後の展望などについて分析した。そこからわかることは、在中国日系企業で中国事業を引き続き拡張する意欲のあるところが40%を下回り、同調査の結果として17年ぶりに低い数字となった。

また、日系企業のうち、51.2%が今後1〜2年間は引き続き中国事業を拡張するとしたが、この数字は14年を5.1ポイント下回るものだ。

東南アジア諸国連合(ASEAN)でも日系企業の事業拡張の意欲は高くない。「事業を拡張したい」とした日系企業は54.2%で前年比6.1%低下した。特にインドネシア、カンボジア、タイでは現地の日系企業の事業拡張意欲の低下幅が2けたに達し、インドネシアは51.9%で同15.4%低下、カンボジアは66.7%で同12.8%低下、タイは49%で同11.9%低下した。

一方、アジア・オセアニア地域で日系企業が事業拡張の意欲をみせているところは、パキスタン(76.7%)、ミャンマー(75.8%)、インド(74.7%)、スリランカ(73%)で、いずれも70%を超えた。

経営管理の課題について、日系企業が示した最大の問題は従業員の賃金上昇だ。アジアとオセアニア地域では、日系企業の7割近くがこの問題に直面し、特に中国とインドネシアでは8割以上になる。だが調査によると、中国での従業員の賃金上昇率は10年に2けたになったが、13年はペースが鈍化し、16年は6.7%になると予想される。

▽日系企業はTPPのメリットに期待

今回の調査で、日系企業の62.2%が利益獲得に期待を寄せていることが分かり、これは14年とほぼ同じ水準だ。興味深いのは、韓国では日本の中小企業の方が大企業よりも利益を得やすいが、中国では反対で、黒字の大企業は黒字の中小企業を20%ほど上回る。

16年を展望すると、アジア・オセアニア地域の日系企業は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に2つの期待を寄せている。「貿易を支援する通関の円滑化」と「商品市場に向けた市場参入だ」。

このような期待を抱く日系企業はシンガポール、マレーシア、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドなど各国に分布する。日系企業が特に期待を寄せるのは「貿易を支援する通関の円滑化」で、59%が期待すると答えた。とはいえ、15年末に実施が予定されるASEAN経済共同体(ACE)や交渉中の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に対する日系企業の期待レベルは14年に比べて低下している。

また、利益を伸ばすためにどうやってコストを削減するかとの質問に対し、日系企業の74.1%が、「主に生産材料の現地調達を増やすという方法を取る」と答えた。このほかのインフレ対策として、管理費用の削減、間接的費用の削減、材料の調達元と内容の再調整、製品価格とサービス価格の引き上げなども挙がった。マレーシアと中国では、日系企業の30%近くが自動化、ロボット、ロボットハンドなどを導入した生産ラインの自動化を進めている。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/藤井)

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