アベノミクス“第3の矢”は矮小化された―経済社会構造の変革、既得権益者に阻まれている―宮内義彦オリックス・シニア・チェアマンが安倍政権を批判

八牧浩行    2015年8月19日(水) 7時45分

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18日、宮内義彦オリックス・シニア・チェアマンは日本記者クラブで記者会見し、アベノミクスについて「日本の経済社会構造を変えなければならないのに、既得権益者が強いため矮小化されている」と強調。「どうして躊躇しているのか」と批判した。写真左が宮内氏

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2015年8月18日、宮内義彦オリックス・シニア・チェアマン(日本取締役協会会長)は日本記者クラブで記者会見し、安倍晋三政権の経済政策であるアベノミクスについて、「第3の矢(構造改革による成長戦略)がなくなったと欧米で言われている」と指摘した上で、日本の経済社会構造を変えようと切り込んでいくようなものがなければならないのに、既得権益者が強いため矮小化されている、と強調。「どうして躊躇しているのかイライラする」と安倍政権の対応を批判した。発言要旨は次の通り。

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アベノミクスの「第3の矢」がなくなってしまったと欧米では評判になっている。矮小化され日本人としてはさびしい限りだ。望みがあるとすれば、国家戦略特区だけになってしまったが、まだ実現したものはない。日本の経済社会構造を変えようと切り込んでいくようなものがなければならない。どうして躊躇しているのかイライラする。

私は規制改革会議で十数年前から改革実現に向けやってきたが、既得権益者の壁が強かった。先日も規制改革をテーマとしたセッションで昔の苦労話をしたが、出席者から「今でも同じ議論をやっており、当時と変わっていない」と言われた。20年近く経つのに、基盤の強い(安倍)政権でもブレークスルー(突破)出来ていない。いかに既得権益を持った人たちが強いかということだ。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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