又吉直樹の「火花」は日本文学を変えるか?―中国メディア

Record China    2015年8月20日(木) 13時17分

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17日、お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さんの小説デビュー作「火花」がこのほど、羽田圭介さんの「スクラップ・アンド・ビルド」と共に、第153回芥川龍之介賞を受賞した。資料写真。

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2015年8月17日、お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さんの小説デビュー作「火花」がこのほど、羽田圭介さんの「スクラップ・アンド・ビルド」と共に、第153回芥川龍之介賞を受賞した。選考委員の作家・山田詠美さんは、「どうしても書かざるを得ない切実なものが迫ってくる。何か強いものを感じて、主人公と先輩とのまさに火花がよく書けていた。1行1行に(芸人人生で苦労した)コストがかかっている」と評価した。(文:戴錚[ダイ・ジョン]光明網掲載)

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「火花」は、文藝春秋が発行する文芸雑誌「文學界」の2月号に掲載され、好評を博した。発売初日の1月7日には、各書店で軒並み品切れ状態となり、インターネット書店では倍以上の価格で取引された。そして、二日連続の増刷が決定され、累計は4万部に達した。純文学雑誌としては、「異例中の異例」の出来事だ。3月11日には、単行本として発刊され、初版は15万冊。7月16日の時点で、累計発行部数は124万冊に達し、新人作品であるにもかかわらず、村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(2013年)の105万冊を抜いただけでなく、2003年に第130回芥川龍之介賞を最年少で受賞した綿矢りさの「蹴りたい背中」が持つ、127万冊の芥川龍作品の記録にも迫っている。

メディアの報道によると、又吉さんの才能を発掘したのは、「文學界」の女性編集者・浅井茉莉さん。2011年に、プライベートで文学フリマを訪れていた又吉と出会い、そのエッセーや俳句などから、文学的才能を感じたという。そして、小説を依頼するようになり、「火花」の担当編集者も務めて、芥川賞受賞の最大の貢献者となった。

「又吉さんによって純文学は活性化したし、純文学を読むことへの憧れが一般的な読者にもまだ残っていると教えられた」と浅井さん。

「文學界」の武藤旬編集長も、「ふだん文芸誌を手にとらない10代、20代にもよく売れている。それだけ普遍的なテーマ性と、ポピュラリティーを兼ねそなえた小説だからではないか。又吉さんは鋭い観察眼と独自の文体を持っている」と評価している。

米国で活躍する東京出身の作家・冷泉彰彦さんは、「又吉直樹氏の傑作『火花』は、日本文学を変えるか?」と題する記事を発表し、「キャラクターはよく描かれているし、ストーリー展開も上手。『抽象性』と『思想性・同時代性』の要素も入っているし、『文章表現』も高水準。『お笑い芸人』という職人仕事に徹底したプライドを持っていると同時に、観客に対する無限のリスペクトを持ち合わせており、読者に対して、いかに誠実に面白く、分かりやすく伝えるかという、最も大切な姿勢を、しっかりと貫いている」と評価し、「火花」が日本文学を変えるとの見方を示している。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/武藤)

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