沖縄大学元学長が安倍政権を痛烈批判、「辺野古建設強行は民主主義に反する」「安保法制で米国にすり寄っている」「中国対応、軍事より外交で!」

八牧浩行    2015年5月12日(火) 9時24分

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11日、新崎盛暉・沖縄大学元学長は日本記者クラブで記者会見し、「台頭する中国と張り合う中で、自力だけではおぼつかないので、米国にすり寄っている」と指摘、辺野古埋め立てをやり抜くことや安保法制を、先走って約束していると批判した。

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2015年5月11日、新崎盛暉・沖縄大学名誉教授(元学長)は日本記者クラブで講演し、「台頭する中国と張り合う中で、自力だけではおぼつかないので、米国にすり寄っている」と指摘、辺野古埋め立てをやり抜くことや安全保障法制を先走って約束していると批判した。また辺野古埋め立て「絶対反対」は最近のすべての選挙で示された沖縄の民意であると強調、「建設を強行するのは民主主義にも反する」との見解を示した。発言要旨は次の通り。

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沖縄の問題を考える上で、日米安保と民主主義の2つがポイントとなる。安倍政権になってからいろいろなものが急激に変わっている。戦前まで遡った価値観を掘り起こそうとしており、米国がつくった戦後秩序とぶつかったりする。台頭する中国と張り合う中で、自力だけではおぼつかないので、米国にすり寄っている。2年前の訪米時には(オバマ大統領との)共同記者会見をさせてもらえなかったが、辺野古埋め立てをやり抜くことや安保法制を先走って約束した。この結果、米側の受け入れ態勢が変わった。今回の訪米では、米議会演説まで行った。

沖縄の知事選、統一地方選で大差で与党候補が敗れ、民意が明確に示されたのに辺野古基地建設を強行するのは民主主義に反する。沖縄の人々は、在日米軍基地の95%が狭い沖縄にあることに怒っている。生活者の視点で見ると沖縄に基地はいらない。日米同盟はなぜ必要か。中国との関係は軍事的な対立よりも、外交的な手段を重視すべきだ。

沖縄の辺野古反対は民意であり覆らない。安倍政権の権力主義的な対応が招いたともいえる。その一方的な対応を見て、沖縄には「独立論」を受け入れる雰囲気がある。私はまず辺野古反対に集中すべきだと考えるが、オスプレイ反対の建白書を掲げて反対運動を(本土で)展開したら、「日本から出ていけ」とのヘイトスピーチを浴びせられた。「それでは出ていきます」という雰囲気が沖縄にはある。もともと違う国(琉球王国)だったので「独立学会」や「独立党」も存在、関連の本も刊行されている。

終戦後、普天間基地の米海兵隊は沖縄には駐留しておらず、山梨、岐阜両県にあった。なぜ沖縄でなければならないのか、辺野古建設が必要か?東アジアの平和と安定のための(軍事的手段ではない)真の方策を議論すべきである。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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