八牧浩行 2015年3月26日(木) 9時16分
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25日、中尾武彦アジア開発銀行総裁(写真左)は中国主導のアジアインフラ投資銀行について、「敵対するオプションはなく協力する」と言明した。また2015年のGDP成長率について、「アジア諸国は全体として堅調」と強調、中国7.2%、インド7.8%と予測した。
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2015年3月25日、中尾武彦アジア開発銀行(ADB)総裁は日本記者クラブで記者会見し、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)について、「(ADBは)敵対するオプション(選択肢)はなく、環境への配慮をはじめとする既存の国際機関共通のルール整備を条件に協力する」と言明した。また2015年のGDP成長率について、「アジア諸国は全体として堅調」と強調、中国7.2%、インド7.8%と予測した。発言要旨は次の通り。
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ADBは中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)とは補完的関係にあり、敵対はオプションにない。協調融資などで協力できる。技術協力など開発途上国向けの経験も共有できる。AIIBと協力する場合には、環境などへの配慮や既存の国際機関共通のルール整備が条件となる。アジアにはインフラ関連だけでも膨大な資金需要があり、複数の国際機関が並立することに何ら問題ない。
アジアの開発途上国は全体として堅調な成長ペースを維持、GDP成長率は2015年、2016年ともに6.3%となる。中国経済は不動産分野を中心とした投資低迷により減速。2015年7.2%、16年に7.0%と予測され、中国政府が設定した目標値7.0%は維持する。
インドは、投資マインドの改善により2015年に7.8%、16年に8.2%に達すると予測。経済成長率は中国を上回る。ベトナムも15、16年に6%強の成長が見込まれる。(八牧)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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