日本はAIIB創設メンバーになり得るか、期限はまもなく―中国メディア

Record China    2015年3月25日(水) 15時10分

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24日、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に傍観、さらにボイコットを決め込んでいた日本の立場が揺らぎ始めている。麻生太郎副総理はこのほど、融資審査体制の確保を前提としてAIIB参加を検討する方針を明らかにした。資料写真。

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2015年3月24日、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に傍観、さらにボイコットを決め込んでいた日本の立場が揺らぎ始めている。麻生太郎副総理はこのほど、融資審査体制の確保を前提としてAIIB参加を検討する方針を明らかにした。ただAIIB創設メンバーになる最終期限は今月31日で、日本が期日までに決断する可能性は低いが、その後の参加の可能性は残されている。人民網が伝えた。

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日本が創設メンバーとなるのが難しい原因はいくつかある。第一に、日本の主導するアジア開発銀行(ADB)がAIIBの登場で名ばかりとなるという不安が挙げられる。米国の同盟国の中にはAIIB参加をすでに表明している国があるが、そうした国には同様の問題は存在しない。

日本と米国はADBの最大の出資者で、出資比率はそれぞれ15.7%と15.6%。ADBの総裁は発足の1966年から日本人が担当してきた。AIIBの重点はインフラ建設にあり、ADBと世界銀行のねらいは貧困撲滅にある。中国側は、AIIBは既存の多国間開発銀行と相互補完の関係にあり、競合関係にはないと強調してきた。だが日本には、AIIBが提示する無条件の大規模資金の魅力は高く、ADBの影響と役割は薄まると心配する声が高い。

第二に、安倍首相が4月に予定している訪米。日米同盟の強化を求める安倍首相は、ほかの同盟国のようには米国の意図を無視してAIIB参加を表明することはできない。AIIBに反対する米国の立場は変わっておらず、AIIBの問題で米国の反発を買い、日米同盟に影響を出すことは嫌がると考えられる。

米国はAIIBに対して、基準を引き上げなければならないという態度を一貫させている。AIIBの環境基準と調達要求が不十分で、世界銀行やADBが持っているような融資プロジェクトの関連措置も整っていないというのである。米国には、米国主導の世界銀行にADBが挑戦し、1970年代以来の米国主導の国際金融秩序に脅威を与えていると考える人もいる。また中国は昨年、新興5カ国によるBRICS開発銀行設立を進めたほか、中央アジアの国々との経済統合の資金源となる400億ドル(約4兆8000億円)規模の「シルクロード基金」を設立した。米国はこうした動きに不安を募らせており、AIIB問題で米国の立場はしばらく揺るがないと考えられる。

第三に、日本のAIIB参加への前提条件設定に見られるような曖昧な態度と誠意の欠如。米国の同盟国の中にはすでにAIIB参加を決めている国もあるが、いずれもこうした前提条件は設定していない。仮に日本政府の条件をAIIBが満たそうとしてもある程度の時間はかかる。つまり日本は創設メンバーとしての参加の決意を欠いているということである。

とは言え、日本がいつかAIIBに参加する可能性は否定できない。態度の軟化も、次のステップへの踏み台となり得る。

日本はAIIB参加によって、アジアでのさらなる孤立を避けることができ、日中韓の経済競争で劣勢に立たされずにもすむだろう。歴史問題によって日本はアジアで孤立している。アジアではすでに20カ国余りがAIIB参加を決めており、韓国も積極的な態度を取り始めている。韓国の参加が決まれば、中韓の経済貿易関係はさらに緊密化するだろう。中韓自由貿易協定はすでに仮署名されており、90%を超える商品がゼロ関税の対象となっている。日本は中韓に先手を取られており、AIIB参加をこのまま遅らせれば、東アジアでの経済的地位はさらに低下し、アジアの中心からさらに離れていく可能性がある。

アジア諸国のインフラ建設は、金融危機以降の世界経済の成長源の一つである。AIIBのインフラ投資による大きなチャンスを共有し、経済発展を進めようとするなら、日本も傍観をやめて参加すべきである。日本政府はここ数年、原子力発電や高速鉄道などを重点としたインフラ輸出を推進しており、インフラ関連輸出を2020年までに3倍の年間30兆円とする目標を掲げている。AIIB参加は、この抱負を実現するチャンスにほかならない。

米国のAIIBへの態度が変わり、日中関係が改善し、AIIB運営が成功した日には、日本はAIIB参加を真剣に検討することになるだろう。(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)

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