中国で環境保護がテーマのドキュメンタリーが話題、PM2.5に焦点―中国メディア

Record China    2015年3月3日(火) 14時10分

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2日、中国中央テレビの元記者・柴静さんが自費製作した環境保護がテーマのドキュメンタリーが話題を呼んでいる。

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2015年3月2日、中国中央テレビ(CCTV)の元記者・柴静(チャイ・ジン)さんが自費製作した環境保護がテーマのドキュメンタリー「穹頂之下」(103分)が先月28日、インターネットを通して発信され、話題を呼んでいる。新華社が伝えた。

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大手サイトにおける同作品のクリック・ダウンロード数は1日で延べ1億回に達したとの統計もあり、SNSなどでも同作品の話題で持ちきりだ。

柴さんが複数の協力者と共に1年かけて製作した同作品は、大気汚染が原因のスモッグが問題になる過程やその解決策にスポットを合わせており、目を覆いたくなるような汚染現場も度々登場するほか、多くの専門家も取材。関連のデータを収めると同時に、製作者の思いも込められている。

ここ数年、工場などからの排煙や自動車の排気ガス、工事現場から出るホコリなどが原因のスモッグが中国の一部の地域の大きな問題となっている。

ネット上では、「同作品は問題の的をついており、米国の作家レイチェル・カーソンの『沈黙の春』(1962年)を思わせる」との声もある。同書は、米国において1960年代、環境保護が進むきっかけとなり、世界でも環境問題に注目が集まった。

しかし、「同作品には不正確な部分も存在する」という声のほか、製作者個人の環境保護に違反するとされる行為に対する批判、「個人の感情が入りすぎ」という声なども上がっている。

それでも、「作品の内容と個人は無関係で、正しいことが論じられているのであれば支持するべき」との声も多い。同作品は影響力が強く、社会の環境保護に対する意識や科学知識の向上を促進しているほか、知識を行動に移すよう促す力を持っている。

北京で開幕する全国両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)を目前に控えた時期に、同作品が配信されたこともあり、全国政治協商会議(政協)の呂新華(ルー・シンホア)報道官は、「私も同作品を見た。科学的な観点で論じられている点が重要」とし、「微小粒子状物質PM2.5の成分は何なのか、人の脳や血管、心臓、肺、胃にどのような影響があるのかなどの調査が時間をかけて行われている」と評価した。

呂報道官はさらに、「同作品が国民の注目を集めているのはいいこと」とした上で、「中国が特殊な発展段階にあることや、中国政府がスモッグ解決のために大きな努力を払っていることにも注目しなければならない」との見方を示している。

環境業界の関係者の多くは、「中国の汚染はまだ悪化しており、今後、工業化の中間レベルに達する。発展を遂げながら、汚染も改善しなければならない。『発展の権利』と『健康の権利』のせめぎ合い」と分析している。

中国で1月1日から史上最も厳格と言われる「新環境保護法」が施行された。全国政協委員である中国環境保護部生態レッドライン制定専門家グループの高吉喜(ガオ・ジーシー)グループ長は、「環境問題は非常に大きな問題。監督と法律の遵守が重要」と指摘している。(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/武藤)

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