春節での出費が悩みの種に、20万円以上が20%超―中国

Record China    2015年2月28日(土) 0時16分

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27日、ネット上では過ぎたばかりの春節(旧正月)の予想以上の出費を嘆く声が広がっている。ちょっと油断すると数千元、数万元とふくらむ春節の出費はまるで「強盗にでも遭ったよう」という人もいる。資料写真。

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2015年2月27日、ネット上では過ぎたばかりの春節(旧正月)の予想以上の出費を嘆く声が広がっている。ちょっと油断すると数千元、数万元とふくらむ春節の出費はまるで「強盗にでも遭ったよう」という人も。専門家はこれについて、春節で大切なのは家族や友人が集まることで、金銭やメンツを気にして新年を負担に感じてしまっては元も子もないと呼びかけている。

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▽年越しには少なくとも1万元

「春節が来るとお金がどんどん吸い取られてしまう」。交通費やお年玉、年賀のプレゼント、同級生の集まりなど、春節には出費の機会が集中する。とりわけ出費が多い既婚者には相当のプレッシャーがかかっている。

年を越すには最低1万元(約20万円)必要という人は少数ではない。9963人が参加したネット上の調査によると、年越しの費用が1万元から2万元(約40万円)という人は14.3%、2万元以上という人は7.3%、1000〜5000元(約2万〜10万円)という人は38.0%、5000元から1万元という人は26.4%だった。

▽「人情」と「メンツ」が出費要因

里帰りして年越しする費用は近年、増加し続けており、お年玉の金額もそれに伴って急騰している。人々の悩みの種である出費増加の背景には、「人情」と「メンツ」の要素がある。

「どこかの家が自分の子どもに1000元のお年玉を渡したなら、その家の子どもに渡すお年玉はそれより少ないわけにはいかない」。湖南省出身の張(ジャン)さんは、年越しのお年玉だけで5、6000元はかかってしまうと頭を抱える。

北京で仕事をする独身女性の劉(リウ)さんは、年越しの里帰りで大枚をはたいた一人だ。春節を選んで結婚した同級生への祝儀に3000元(約6万円)、母親への年賀祝いに1万元、お年玉で4500元(約9万円)。年越し出費は合わせて2万元を超えた。

「人情は大事にしなければならない」。「お年玉が少なければメンツがなくなる」。そんな心理によって、多くの人が互いに競い、出費は厳しいと感じながらも高額のお年玉を包む。せっかくの人情は多くの人にとって負担となりつつある。

▽春節で年収の3分の1を消費

取材をしていたら、春節で年収の3分の1を使ってしまったという人も現れた。西安のある企業の上層管理者を務める1960年代生まれの李[文武](リー・ビン)さん。昨年は会社の業績が振るわず、収入が減り、毎月の収入は平均で6000元余り(約12万円)だった。妻と息子は毎月それぞれ3000元(約6万円)稼ぐ。年間の世帯所得は合わせて約14万元(約280万円)だ。

今年の春節では、一家3人で4万5000元(約90万円)を使った。年収の3分の1近くの金額だ。一番大きな出費は、家族一人ひとりにiPhoneを配り、家電を揃えた1万5000元の出費だった。

▽年越しは「負担」にあらず

金を持っていようと持っていなかろうと、年末年始は家に帰ってすごすもの。社会学専門家によると、春節で一番大切なのは一家そろって新年を迎えることで、金銭やメンツにこだわって年越しを負担に感じてしまっては元も子もない。

北京大学社会学科の夏学鑾(シア・シュエルアン)教授は、「経済発展と収入上昇に伴い、人々がお金を持つようになれば、新年のお年玉の額が増えるのは当然だ。だが一部では、他人と競ったり、羽振りの良さをアピールしたり、メンツを気にしたりする人もおり、親戚や友人の間で、『あなたが200元(約4000円)くれるなら私は500元(約1万円)渡す』といった調子でお年玉の額はどんどん跳ね上がっている。こうした心理状態は適切なものとは言えない」と語る。

中国本土の年越しで飛び交う巨額のお年玉と対照的なのが、香港の「利是」。お金を渡すのは同じだが、一般的には10香港ドルか20香港ドル(約150〜300円)程度と金額が少ない。新年の幸運を祈り、祝福の気持ちを表すための風習で、渡す方も渡される方も負担を感じずにすむ。

夏教授は、お年玉の額を競い合うような風潮は、すべての人を苦しめるもので、改める必要があると指摘する。新年や節句を過ごすのに大金を渡す必要はないし、渡すべきでもない。自分なりの行動を守っていればよい。党中央はぜいたく禁止など「八項規定」を党員向けに打ち出して模範を示しているが、一般市民もこれにならって、古い風習は自らやめることが望ましい。

一方、春節の出費の大きな部分を「親孝行」の支出が占めていると指摘する専門家もいる。故郷に帰って両親にいいところを見せたいと思う人の中には、親の思いに報いていないという後ろめたさも見え隠れしており、こうした人は自らストレスを招いているとも言える。普段からできるだけ故郷に帰って両親を見舞うことを心がけるべきだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)

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